山と道「UL Shirt」 │ 軽量で耐久性に優れたオシャレ山シャツ

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もうちょっとカジュアルな恰好で登山を楽しんでみたい

というのが今年の登山のテーマであり、このテーマに沿ってFLOATのサングラスを導入してみました。

もうひとつ、このカジュアル演出のために試してみたいと思っていたのが「山シャツ」です。

山シャツとは

昔、登山と言えば、山シャツという時代もありました。当時の山シャツとは、(おそらくウールの)ネルシャツ。

ネルシャツとは「フランネルシャツ」の略で、表面を起毛させたコットンやウール素材の生地で、厚みがあり、暖かく柔らかい、そして大抵はチェック柄のシャツのこと。

そして、ネルシャツと言えば、

…。

とくにコメントはないのですが、なんとなーくダサいファッションの代名詞という雰囲気もあり、山では着ている人がかなり減ったイメージです。

たまに、ザ・山男な方がこのオールドスクールなファッションを着こなしていて、めちゃくちゃ格好イイですけどね。まだまだ貫禄が足りなくて、真似できそうにありません。

ということで、近年では、登山においては、ネルシャツは(おそらく)フリースに置き換えられ、前開きのウェアはたいていファスナー式になり、わりとテクニカルなスタイルが主流になってきたように思います。

が、ここ数年は、ネルシャツではない山シャツが流行ってきていて、この山シャツトレンドを牽引している山シャツのひとつが山と道「TRAIL SHIRTS」シリーズ。個人の感想ですが。

「カジュアルな登山ウェア」を目指し、山シャツを試してみたい。

おそらく「TRAIL SHIRTS」の中でもっともベーシックである「UL Shirt」を、今回、導入してみました。

山と道「UL Shirt」

特徴は公式サイトでたっぷりと語られているので、ぜひ参照いただきたい。

以下、今年のこれまでの山行のほとんどで「UL Shirt」を着用した「にわかハイカー」の、極めて個人的な感想を記してみます。

超軽量で小さく丸められる

公式サイトによると、真ん中のMサイズで99グラム。

84g (Size XS)
91g (Size S)
99g (Size M)
107g (Size L)
113g (Size XL)

UL Shirt | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

届いたときには、「中身入ってるのかな?」と軽く焦りました。

丸めて握るとこの小ささ。

この小ささなら、バックパックの隙間にねじ込む分にはまった邪魔にならないと思います。もちろん、着ていてストレスになる重さではまったくありません。

長い後ろ身頃

後ろ身頃がすこし長く取られてます。

登山をしていると、バックパックで上着の背中側がずり上がっていくことがあるのですが、長めの後ろ身頃のおかげで、背中が露出するまで、すこし猶予ができます。

まぁ、根本的に解決するものではないので、ずり上がるときはずり上がっちゃいますけどね。

むしろ、長い後ろ身頃は、自転車に乗るようなシーンにおける、前傾姿勢時に効果を発揮するのでは? と思ったりもします。

シワ

シワになりづらいことを謳っている「UL Shirt」なのですが、たしかにシワになりづらい感じはありますけど、劇的にシワができないかというとそこまでではなかったです。

洗いざらしだと、下の画像くらいのシワはついてました。

着ているうちにシワが取れていく気もするので、登山においては問題にはならないですが、街着として考えている場合、「思ったよりシワがつくなぁ」と思うことはあるかもしれません。

襟まわり

襟はオープンカラー。

一番上のボタンは留めず、開襟で着るのが一般的だと思います。すこし寒い場合は一番上まで留めて、襟の先についているボタンも留めれば、襟を立てて首まわりをより保温することもできます。

襟付きのウェアならではの着方になると思いますが、実践するかどうかはちょっと分かりません。

スナップボタン

襟についているボタン以外はすべてスナップボタンになっています。

スナップボタンなので、シャツの前立てを持ってガバっと開けば、プチプチプチプチっとボタンが外れて、スピーディーに前を開けることができると思っていたのですが、けっこうしっかりと留まるタイプのボタンなので、ボタンの根本からシャツが破れそう。仕方なく、プチンプチンと順に外していっています。

ボタンなので、例えば上を留めて、下は開けておいて、風通しを良くするような着用方法も可能です。ファスナーの場合、ダブルジップ(ファスナーでダブルジップというのも変だけど)じゃないとできないですからね。

もちろん全開で着てもイイと思います。

乾きやすさ

「UL Shirt」は山と道の「TRAIL SHIRTS」シリーズの中では一番速乾性があり、期待していたのですが、

出典:UL Shirt | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

汗ビショ世界ランカーにかかればこの通り。

5月、6月の低山で、余裕でビッショビショである。

さすがに、汗を吸い取ったそばから乾いていくほどの速乾性はありませんでした。

で、これがどのくらいで乾いていくかが重要になってくるのですが、多少風が抜けるコンディションでは、10分ではちょっと難しそう。お昼をのんびり食べている間には乾く、と言った感じ。

汗をあまりかかない人・コンディションであれば、歩いているうちに乾くということもあるかもしれません。

SHADOW RIP素材

「UL Shirt」は、ポリエステル100%の、薄くて凸凹のない、フラットなSHADOW RIPという素材なのですが、これは凸凹している従来のリップストップ素材に比べ、摩耗に強いという特性があるようです。

出典:UL Shirt | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

「従来のリップストップ生地」とは、おそらくSHADOW RIP素材以前に採用されていたPERTEX QUANTUM AIR素材のこと。ウィンドシェルでもよく採用されている、人気のリップストップ素材だと思います。

が、「UL Shirt」の場合、毛玉や引きつれが発生することがあり、SHADOW RIP素材に変更したという経緯があるようです。

SHADOW RIP素材は、「テ・アラロア」というロングトレイルの3,000kmを毎日着用しても破れなかったという記事もあるし、公式サイトでも

半年に及ぶロングトレイルでは衣類が摩耗により破けるのはよくある話で、個人的に「どれくらい保てるのだろうか」と気になっていた。3ヶ月ほど経過すると周囲のハイカーたちの肩には穴あきや裂け目が目立つようになり、「UL Shirtsもそろそろかな?」と様子を見てみる。だが、驚くことに生地が摩耗している感じはなく、全く穴あきの気配がない。「う、嘘だろ?!」と漫画のようなリアクションを取ってしまったけれど、想像以上の耐久性だった。

UL Shirt | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

というレビューが掲載されていて、耐久性は評価できそう。

少なくとも、7回程度の着用では毛玉や引きつれは発生していません。

一方で、「UL Shirt」は薄くてフラットゆえに、汗で濡れると肌にピタッと貼りついてしまい、まあまあ不快。汗ビショ世界ランカーの宿命と受け止めて、肌と点接触になりそうな「Merino Shirt」「Bamboo Shirt」を選ぶのも良いかもしれません(この2つの肌離れが本当に良いか知りませんが)。

ウィンドシェル代わり

「UL Shirt」のSHADOW RIP素材は多少の防風性も備えているのか、「ウィンドシェルとしても使えますよ」と謳われているのですが、個人的には「さすがにウィンドシェルほどの防風性はない」という印象です。

温暖な気候で、薄着のときに、ウィンドシェル代わりに持っていくのはアリだけど、寒冷な時期に、雨具の代わりに軽量化のためウィンドシェルを持って行くような場合に、それを「UL Shirt」で代替する気にはなれない。そこはちゃんとしたウィンドシェルを持っていきましょうよ、と。できればちゃんと雨具を持っていきましょうよ、と。

この辺は使用者のスキルに大いに左右されるところだと思うので、リスクを理解した上で、ウィンドシェルの代わりに「UL Shirt」を持つという考えを否定するものではまったくないです。

まとめ:軽量で摩耗に強くなったカジュアルな山シャツ

汗ビショ野郎としては、驚異的な速乾性を期待していたのですが、さすがにそんな素材はまだないのかもしれません。

「カジュアルを演出するための山シャツ」という本来の目的は完璧に達成していて、十分に満足しています。

デメリットらしいデメリットとしては、人気の商品のためか、入手性が悪いということ。たしか、2024年春の発売数日後にポチろうとしたら、欲しかった色が売り切れていて、マスタードというまあまあ派手めの色になってしまいました。

派手な色のウェアは好きだし、気に入っているんですけど、持ってるパンツも赤や黄色のものが多く、さすがに合わせられませんでした。

今後も登山着として活躍すると思うのですが、

春のスノーボードにイイんじゃね?

という妄想もしています。

4月、5月あたりのゲレンデで、よく見かけるじゃないですか、スノーボードウェアじゃなくてシャツを着て滑ってるウェーイ系の人。アレ。アレをやっていきたい。

「UL Shirt」を着て、ゴーグルではなくサングラスをかけ、パンツは当然ビブスパンツ。このスタイルで来シーズンの春スノーボードをキメていきたい。

恥ずかしさを乗り越えてキメていきたい。

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