BCB FireDragon MULTI-FUEL COOKER │ 消毒可能なエタノール燃料が扱える風防付きポケットストーブ

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実はこっちが本命だったりします。

FireDragon固形燃料

時を遡ることEsbitポケットストーブを買う前、つまりまだポケットストーブをひとつも持ってない時期の話なのですが、FireDragon(ファイヤードラゴン)っていう固形燃料が気になりまして。

BCB Internationalっていうイギリス軍やNATO軍向けに製品を製造しているメーカーが開発した固形燃料なんですけど、

  • 植物由来の無毒なバイオエタノールが原料で、燃焼ガスも無臭
    • エタノールなので燃料を切ったナイフの消毒もでき、そのままナイフを使って食材が切れる。手指の消毒も可能。
  • それなりに火力が強く、半分で400ccの水を4分半ほどで沸騰させられる
  • 着火しやすいが、自然発火温度は363度で自然発火しない
  • 煤が出ない
  • 燃焼時は液化する

という特徴があるようです。

とくに無毒で、燃焼前に消毒もできるエタノールが原料という点にピクっと反応。

持ち物が限られるアウトドアにおいては、複数の役割を兼ねる、一石二鳥な製品が好まれるわけですけど、燃料と消毒液が兼ねられるというのは、とても効率的だと感じるんですよ。ほぼ使われない消毒液を単体で持ち運べば、それは当然無駄なコストになるのですが、それが燃料を兼ねるのであれば必要なコストとして計算できます。

また、消毒液と燃料と考えれば、エマージェンシーキットとの相性も良く、これはなかなか良い組み合わせではないか、と。

同じ理屈で、アルコールストーブの燃料に、燃料用アルコール(メタノール・メチルアルコール)ではなく、消毒用アルコール(エタノール・エチルアルコール)を使うという方法がありますね。というか、燃料用アルコールで消毒はできないので、この辺のアルコール燃料を使う場合は、いま使ってるのがメタノールなのかエタノールなのか、明確に区別できてないと危ないとも言えます。

燃焼時に液化する固形燃料

このFireDragon固形燃料、燃焼時は液化するという特徴もあるため、いわゆるEsbitのようなポケットストーブではこぼれてしまって使えなさそう。専用のポケットストーブがあるのかしら?と思って調べた結果、FireDragon MULTI-FUEL COOKERという液化した燃料がこぼれない構造のポケットストーブがあるらしい、ということが分かりました。

しかし、

ポケットストーブ標準と言っても過言ではないEsbitも持ってないのに、いきなり傍流(失礼)のFireDragon MULTI-FUEL COOKERに手を出すわけにはいかない

という謎の使命感が生まれたため、まずはEsbitポケットストーブを購入いたく感心した次第。そして、使命を達成したいま、本命のFireDragon MULTI-FUEL COOKERと対峙するわけであります!!

FireDragon MULTI-FUEL COOKER

パッケージ

非常にシンプルで、いかにもアウトドア用品なパッケージ。良き。

内容物

中にはBCBと刻印というかエンボス加工されたポケットストーブ(左)と、なんと風防(右)がついてきます。

Esbitのスタンダードやミリタリーには風防はついてこなかったので、これは嬉しい。

Esbit(スタンダード・ミリタリー)と幅はほとんど同じなのですが、高さはFireDragon MULTI-FUEL COOKERの方がややあります。

外観

FireDragon MULTI-FUEL COOKERには、ゴトクの根本のヒンジ部分にポッチが4つあるので、3段階の開閉位置が決められます。ちなみにEsbitはポッチが3つなので、開閉位置は2段階でした。

1段階目。かなり狭いので、コップとかも置けそう。

2段階目。Esbit(スタンダード・ミリタリー)の全開からひとつ狭めた幅よりは少し広く開いている感じ。

そして3段階目(全開)。Esbit(スタンダード・ミリタリー)の全開よりもかなり広く開いています。

中には中央に燃料皿が設置されています。このある程度の深さを持つ燃料皿が、燃焼時に液化するFireDragon固形燃料には必要なんでした。

底面には大きなスリットと、サイドにも細めスリットがあり、ここから空気が取り込まれる設計だと思います。

が、FireDragon MULTI-FUEL COOKERはゴトク部分を開いても、底面に空間が取られる構造ではないので、

底面のスリットは空気取り入れ用というよりは、むしろ燃料皿の壁のための肉抜きと見るべきでしょう。

地面に密着して置くことになるので、燃焼時の熱が地面に伝わりやすいはずで、ちょっと心配。

その点、Esbitポケットストーブはゴトク部分を開くと、地面から浮くように設計されているため、

底面のスリットも機能するし、少し浮く分、地面にも(若干)熱が伝わりにくいと思われます。設計としてはEsbitの方がよく考えられている印象です。

燃料皿は底面を折り曲げているだけの構造なので、隙間もあって、完全に液体がこぼれない構造ではありません。

FireDragon MULTI-FUEL COOKERを改造して、アルコールストーブにすることも可能のようですが、その場合は、液体のアルコールがこぼれないようにシーリングする必要がありそうです。

風防

風防は、OUTと刻印されている部分を外側に、それ以外を内側に入れるようにしてはめ込みます。

ゴトクの開閉位置を2段階目にすると、ちょうどゴトクが風防に寄りかかる形になります。

この風防を設置して、ゴトクを寄りかからせた位置が、見た目も一番安定しているので、おそらくはこのポジションで使われることを想定した製品なのだと思います。

なお、この風防なんですけど、Esbit(スタンダード・ミリタリー)にもハマります。

全開位置でしか使えませんが、この位置であれば、風防の高さとゴトクの高さもほぼ同じで、シンデレラとまでは言えないけどフィットしてます。むしろ、見た目がガチャガチャしていて良い

燃料の持ち運び

Esbitポケットストーブは固形燃料をポケットストーブの中に収納して持ち運べますが、FireDragon MULTI-FUEL COOKERはどうかと言うと、

ブリスターパックに入った固形燃料が3つ入ります。

ひとつ27gなので、合計81gのFireDragon固形燃料が持ち運べます。カップ麺ひとつ分のお湯なら半分に切って使うこともあると思うので、十分な量だと思います。

ゴトクを閉じるとこんな感じで

底面のスリットからこぼれることもなさそうです。

次に、Esbitの固形燃料4gを燃料皿に入れて持ち運ぶ場合を考えてみます。

縦に3つ積み重ねると高さ的にはちょうど良さそう。

置いてみると、横幅もピッタリですな。

横に並べると、こんな感じ(↓)で固形燃料4gが5つ、こちらもピッタリ入るので、

合計、3×5 = 15個、4×15 = 60gのEsbit固形燃料4gが、FireDragon MULTI-FUEL COOKERの中にピタッと収まって持ち運べる計算になります。

Esbitの固形燃料も裸で持ち歩くと気化しちゃいそうな気がするので、BCBにEsbitを入れるのは緊急時かなーという気はしますが。

雑感

ここまでの雑感を書き連ねてみます。

デザイン

設計としては可もなく不可もなくという感じで、本当に必要最低限のミニマルな製品。質感もEsbitに比べればややチープな印象。ただ、ポケットストーブとは本来これ以上の品質を求めるものでもないわけで、そういう意味だとEsbitと五十歩百歩な質感で、Esbitと同等の機能を持ち、燃焼時に液化してしまうFireDragon固形燃料が扱えるという点はEsbitよりも優勢という、それ以上でもそれ以下でもない評価になると思います。

また、「Esbitよりもややチープ感」故に、汚れ等を気にせず使い倒せるところを気に入っているユーザーも案外多くいるのでは?と思います。そのくらい絶妙なラインの質感です。

固形燃料

FireDragon MULTI-FUEL COOKERを使う理由は、そのポケットストーブとしての使いやすさや完成度よりは、むしろ扱える固形燃料「FireDragon固形燃料」によるところが大きいと思います。

固形というよりは硬めの寒天のような質感なんですけど、前述したように、無毒なバイオエタノールが原料で、手指の消毒もできるという二役をこなす固形燃料というところが、とくにアウトドアという文脈においてはポイントが高い。

この固形燃料を使うために、FireDragon MULTI-FUEL COOKERは必須ではなく、100均とかで売ってるような小皿をEsbitのポケットストーブに入れればもちろん使えるとは思うんですが、一度は専用品を使ってみたいという欲求には逆らえませんでした。

風防

単純に風防がついてくるのは嬉しいし、Esbitポケットストーブ(スタンダード・ミリタリー)にも使えそうだし、Esbitの風防を探している人はもうFireDragon MULTI-FUEL COOKERを買って、風防と、おまけでBCBのポケットストーブまで手に入るって考えた方がイイんじゃないですかね!?笑

評価

FireDragon固形燃料とセットで考えると、非常に高評価。もしかしたらEsbitよりも好きになり始めてるかもしれない。

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