スノーボード試乗会 │ MOSS SNOWSTICKはどうか

スノーボード
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ひとつ誤解を解いておきたい。

ここ15年くらいの間に買った板が全てGENTEMSTICKの板だったためか、とくに後輩には「GENTEMSTICK以外の板に乗らないんでしょ?」などと思われているようなんですが、いやいや全然そんなことありませんよ、と。

確かに、GENTEMSTICKの板に乗ってしまうと、ほかの板にはあまり興味がなくなる、という魔力がGENTEMSTICKにはあるとは思います。

魔力というか、もしかしたら

  • GENTEMSTICKは高価である
  • GENTEMSTICKはバリエーションが豊富である
  • よって、GENTEMSTICK以外に浮気をするくらいなら、GENTEMSTICKの別の板を試した方が財布にやさしい

というような下世話な三段論法による帰結かもしれませんけど(とは言え、少なくともGENTEMSTICKにある程度の魅力がないと、このロジックは成り立たないわけですが)。

モスという板

さておいて、GENTEM乗りが多かれ少なかれリスペクトしているであろうスノーボードメーカーが日本にはあります。MOSS SNOWBOARDSMOSS SNOWSTICKのブランドを持つパイオニア・モス社(以下、親しみを込めて「モス」と表記)です。

こちらのページによると、1998年にGENTEMSTICKはT.Tをフラッグモデルとして、そのブランドが立ち上がったわけですが、これを遡ること8年前の1990年には、T.Tがモスからリリースされていることが記載されています。

Released the Original TT-model from Moss snowboards.

GENTEMSTICK | PHILOSOPHY | HISTORY

GENTEMSTICKの創業者玉井太朗氏がモスで自身のシグネチャーボードを発表し、その後、自身のブランドを立ち上げたのだという理解です。

こういった理由で、GENTEMのルーツにモスを見て、リスペクトするGENTEM乗りが多いと思われるのですが、そもそも、モスはwikipediaのスノーボードの頁

パイオニア・モス社がスキーの解放型プレートを改良した固定式ハードバインディングを持つ「MOSS snowstick」の販売を開始。これはスキーブーツの使用を前提とし、世界で初めて固定式バインディングを採用したものであり、「MOSS SNOWBOARD」は現存する世界的古参メーカーとして知られている。

スノーボード – Wikipedia

とあり、おそらくは日本で最初のスノーボード・メーカーであり、世界においても最古参のスノーボード・メーカーであることを考えれば、日本中のスノーボーダーからのリスペクトを集めてもおかしくないと思うわけですよ。

そんな全人類が羨望の眼差しを向けるモスの板試乗できる試乗会があると聞きつけ、先日のGENTEMSTICK試乗会に引き続き、2022年3月5日にセイモアで開催された試乗会に行ってきました。MOSS SNOWSTICKの板に3枚ほど乗れたので、ファーストインプレッションをお伝えしたい。

MODEL NK FREE SURF EDITION

最初に乗ったのは、トップシートにMODEL NK FREE SURF EDITIONと印字されていたモデル。

21-22のカタログによると70SWと書かれているモデルにも見えるけど名前が違うし、スワローテールも若干長く見えるし、モスのラインナップに疎くていきなり混乱しているわけですが。SWは「スワローテール」の略なんでしょうか。

ROCKET FISHに比べるとスワローテールというかフィッシュテールというかダブルピンテールの部分が長いので、後ろが柔らかめになるのだと思いますが、テールが結構粘るような感触で滑りやすかったです。

カーヴィング時の重心のポイント(?)がやや後ろにあるのかな、という点が少し気になりましたが、後ろ足に乗って、板を先行させるようにカーヴィングできる人には最高の乗り心地になる可能性もあると思いました。前重心の自分には、ROCKET FISH HP SFの方が扱いやすい印象でした。

後ろ足のすぐ横から裂けるスワローテールは、ぜひ新雪で乗ってみたいと思わせるデザイン。ここから新雪が抜ける様は壮観だと思います。

MODEL RI FREE SURF EDITION

次は、トップシートにMODEL RI FREE SURF EDITIONと印字されていたモデル。

こちらも、21-22のカタログではそれらしき名前は発見できませんでしたが、おそらくはPTシリーズだと思います。PTは「ピンテール」の略でしょうか。

これが一番楽しく乗れました。画像では分かりづらいのですが、テールの方が尖っていて、新雪でも抜けの良さそうな形状。先日のGENTEMSTICKの試乗と比較するのもアレなんですが、前回の4枚の中ではTHE CHASER HPに近い乗り味という印象。

板も短く、ツリーランや自然地形で乗りたい板ですが、意外と春のシャバ雪でも楽しめそうだと思いました。

以前の同僚が乗っていたモスがこのモデルだったと記憶していて、彼のことを思い出しながら滑ってました。

MODEL U-4 PREMIUM EDITION

最後はトップシートにMODEL U-4 PREMIUM EDITIONと印字されていたモデル。

21-22のカタログのU4だと思われます。

雰囲気的にGENTEMSTICKにおけるT.T的な板かな? と思い選んだのですが、(T.Tとは違い)幅の広いノーズ形状から来る回頭性の鈍さなのか、ちょっと重たい印象の板でした。ノーズを振るのがちょっとしんどい感じ。

もしかしたら、新雪だったら楽しい板なのかもしれない。どっしりしているので直進安定性も高い可能性があります。

雨が降ってきて1本しか滑れなかったこともあり、よく分からないまま返却することになってしまった、少し残念…というよりは心残りな板です。

反省点

なんだかんだ言って、MOSS SNOWSTICK縛りになってしまい、またそれが必然であるかのような前置きを書いてしまったのですが、本当は今どきのキャンバーボードにも乗ってみたかったし、パウダーボード路線でいけばOGASAKAのSHINシリーズなんかにも乗ってみたかったところです。試乗会の事前申し込みではT.J BRANDにも乗ってみたいって書いてたし。

当日は午後にはかなり大粒の雨が降っていたところに、強風で2ペアと3ペアのリフトが止まり、クアッドリフトが大混雑という状況で、早々に心が折れてしまいました。

まぁ、GENTEM以外の板にも乗ってみたいという内なる欲求も少しは満たせたので、それはそれで良かったですかね。お楽しみをいくつか残しておいたと思うことにします。

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