GENTEMSTICK試乗会 │ THE CHASER HPはどうか

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ずいぶんと長い間、スノーボードの試乗会なるものに行ってなかったのだけど、今シーズンはちょっとしたモチベーションがあり、久しぶりにいつも板を購入しているショップの試乗会に行ってきました。

モチベーションというのは…、2018年の3月なのでもう4年前になりますが、その前に買った板が2014-2015モデルのGENTEMSTICK T.T 158で、そこから3年、そろそろ新しい板が欲しい。当時はまだバックカントリーもそれなりに頑張ってた時期で、前シーズンにスノーボードの師匠であるカズくんがスプリットボードを買って調子良さそうな話をしていて、なるほどな、スプリットボード、次はスプリットボードもええな、ということで、そのシーズンの試乗会で印象が良かったSLASHERのスプリットボード(CHOPSTICKS)を注文したのが、繰り返しになるけど2018年の3月。

SLASHERのCHOPSTICKSはもともとCHOPSTICKSのラインナップになく、完全受注生産なので、納品までに1、2年かかるかもね、という話だったのだけど、まぁ、せっかくだし通常の生産ラインにはない板を一枚、持ってみるのも悪くないし、1、2シーズン先なら待てるよなという気持ちだったのですよ。4年前は。

時は過ぎ、4年後の2022年。いまだ手元に届いておらず、オーダーが通っているのかどうかも怪しい状態。同時期に注文した同様のスプリットボードは軒並み届いてないらしく、ほかのお客さんは通常ラインのCHOPSTICKSを買っているらしい。4年間ほかの板も買ってないため、最後に買ったT.T 158から7年経過。スプリットボードどころか普通の板だって欲しい。しかし、まずはこのスプリットボードに決着をつけなければ前に進めない気がする

というアレで、CHOPSTICKSのラインナップに目をやり、

出典: GENTEMSTICK | GENTEMSTICK | CHOPSTICKS 2021-2022

MANTARAY乗りとしては形状が似たSTINGRAYに目がいくけど、これはカズくんが乗っているCHOPSTICKSなので、一旦却下。仲間内の板のバリエーションは多い方がイイ。

GIANT MANTARAYは浮力もありそうでバックカントリーにはピッタリという気もするけど、おそらく自分の体格では若干持て余しそう。

ということで、FLY FISKかTHE CHASER HIGH PERFORMANCEということになるのだけど、個人的には最近YouTube等でも良い噂を聞くTHE CHASER HPにほぼ絞った感じに既になってたり。そんなタイミングで試乗会があり、CHOPSTICKSはないだろうけど、通常版の板に試乗してみたい。これがモチベーションでした。

前置き長過ぎだろ。

というアレで、2022年2月27日に一里野温泉スキー場で開かれたBreathing SHIRAYAMAのGENTEMSTICK試乗会に行ってきたので、乗った板のファーストインプレッションをお伝えしたい。

THE CHASER

午前中、ソロで滑ってたこともあり、試乗会への参加が遅れ、4枚の板にしか乗れなかったのですが。

1枚目はTHE CHASER

トップシートのカラーがヤバい。めちゃくちゃ好み。

THE CHASER HPのベースになった幅広のショートボードという認識ですが、あとで見比べた感じでは、幅が広いだけではなく、サイドカーブも緩めのように見えました。

とはいえ、こちとらTARO TAMAI SNOW SURF DESIGN時代からのROCKET FISHに乗ってるという自負「だけ」はあるポンコツスノーサーファー。その辺の幅広ショートボード(156cmなのでショートでもないか…)はなんとか乗りこなせるのでは、という自信があったのですが。

ナ ニ コ レ 曲 が ら な い ! !

いやいや、待て待て、と。

なんなんだこのまな板に乗ってる雰囲気というか、畳に乗ってる感触というか。もちろん両方とも雪の上で乗ったことないけど。

サイドカーブが無い板でお馴染みのT.T 158にも乗ってるので、膝を入れて曲がるGENTEMの乗り方はわりと身につけている気がしていたのだけど、これは別の乗り方が必要。曲がるための別のきっかけと言うべきか。

とは言え、面白いといえば面白い板で、初めてMANTARAYに乗ったときの三次元で四輪ドリフトをしているかのような感覚に近い気もします。深雪・新雪で乗ってみたいし、乗りこなしてみたい板だけど、どうなんだろうか、最初のスプリットボードとしては自分には厳しい気がします。

THE CHASER HIGH PERFORMANCE

次に乗ったのは、今回のお目当て、THE CHASER HIGH PERFORMANCE

画像を見ても隣のTHE CHASERに比べて細身のシェイプで、サイドカーブも強め。THE CHASERよりも長く見えるけど、155.15cmなので実際はほんのちょっと短い。

先のTHE CHASERがうまく乗れずヒジョーに不安だったのですが、細身のシェイプのおかげなのか、サイドカーブのおかげなのか、THE CHASER HPが欲しいという思いが強いせいなのか、

こいつ…曲がるぞ!!

やだ…下手なぼくでも…THE CHASER曲げられないぼくでも乗れる!! 自虐がしつこい。

新雪での操作感は分からないのですが、マッシヴなノーズ形状は十分に浮力を稼いでくれそうな予感しかしないし、テーパードなシェイプで後ろ足は自然に沈み、視覚的にもやる気を出させてくれることは想像に難くない。

少なくとも、試乗時のコンディションである少し荒れた圧雪バーンにおいては、雑なカーヴィングが可能だったし、ピンテール(ダイヤモンドテール?)のおかげで「高速リバースターンかましちゃおっかなー♪」という気にさせてくれそう。リバースターンできんけど。

終始、「これだ、これが次の板なんだ」という気持ちでニヤけながらグイグイ乗っていたので、もう来シーズンは決まりという感じ。

ROCKET FISH HIGH PERFORMANCE SOFT FLEX

今や、GENTEMSTICKを代表するモデルのひとつと言ってもいいほど、オーナーも多く、バリエーションも豊富なROCKET FISH。

かなり初期のROCKET FISH乗ってるもーんというのが、ぼくのささやかな自慢なのだけど、最近のROCKET FISHはぜんぜん乗ったことがないので、ROCKET FISH HP SFに試乗。

スペックは比較してないけど、こうやってみるとノーマルよりもテールは細めでテーパードが強くかかってるのかな。ダブルピンテール(フィッシュテール?)のシェイプも若干違う気がします。

で、乗り味はというと、

クソ乗りやすいんですけど!!

とにかくキレッキレの細かいカーヴィングで、最近のロケットフィッシャーたちのターンの後半でノーズを浮かせるようにしながら切り返し、次のターンに繋げる独特な動き、あれがぼくにもできる!! 気がする!!

えー、マジかー。あれ、お前らが上手いんじゃなくて、板のおかげなのかー。(ウソ、お前らが上手い)

ノーマルの、あるいは自分が乗ってる2008-2009ごろのROCKET FISHとは全く別の板という印象を受けました。一方で、自分のROCKET FISHで、このROCKET FISH HP SFのようなライディングがしたい、という新たな目標も見えてきて、なかなか有意義な体験でしたね。

MAGIC 38

FLY FISKに出逢うことができず、最後は同僚が乗っててめちゃ調子がイイと言ってたMAGIC 38

体格的にも好み的にも、どちらかというとロングボードを振り回すよりは、ショートボードで小回りを効かせたいタイプなのだと勝手に自己分析してるのですが、正直に言うと

BIG MOUNTAINシリーズ乗るならコレだわ

って確信するくらいの相性の良さを感じました。

誤解を恐れずに言えば、めちゃくちゃダルい雰囲気で、めちゃくちゃ弧の大きいターンを刻める板という感じ。安定感がハンパなく、ロングでアンニュイなライドができる。荒れたゲレンデも、荒れた自然地形も、ストレスなく突破できるんじゃなかろうか。

カズくんが乗ってるSPEEDMASTERがこんな乗り味なのかな? と想像したんだけど、それもそのはず、MAGIC 38の説明文は以下から始まります。

The Magic38 is the resized version of the Speedmaster. 

GENTEMSTICK | 2021-2022 | MAGIC 38

「MAGIC 38はSPEEDMASTERのリサイズ版ですよ」と。

買うのは今じゃない。でも、将来BIG MOUNTAINシリーズが欲しくなったとき、真っ先に候補に上がる板。

THE CHASER HPの(耳にした限りの)弱点

ちなみに、試乗会の2週間ほど前にBreathing SHIRAYAMAの店長に、たまたまTHE CHASER HIGH PERFORMANCE CHOPSTICKSの弱点を聞いていたり。曰く、北陸特有の(?)春先のグズグズのストップスノーのコンディションのときは、テーパードな形状が仇となって、ノーズが特にブレーキがかかり、板が回転してめちゃくちゃ苦労したらしい。それで、GIANT MANTARAY CHOPSTICKSに乗り換えたそう。

もうひとつはスプリットボードの先輩にもなるカズくん情報。曰く、あまり幅が広すぎる板だと、スキーモードでハイクするときに歩きにくいのでは?とのこと。スプリットボードは、くっつけた状態における外側のエッジが、スキーモードのときは内側になるので、テーパードが強いとエッジの膨らみが干渉してしまうのだと思います。おそらくは(より幅広な)スノーシューとは違い、板を滑らせる動作でハイクするので、スノーシューよりもエッジの干渉がストレスに感じやすいのだと予想します。

これらの弱点も込みで、いいじゃないTHE CHASER HIGH PERFORMANCE、乗りこなしてやろうじゃない、という気持ちなのですが、ほら、こうやってネチネチと妄想している時間が楽しいじゃないですか。もうちょっと楽しませてほしい。

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