やかましくも頼もしい燃焼音でおなじみ、金色の悪魔「OPTIMUS SVEA 123R」なのですが、
その轟音に慣れれば慣れるほど、
これ、静かだったらもっと良くね?
って思ってしまうのが人情というもの。
SVEA 123Rのサイレンサーといえば、QuietStoveのModel 123が有名かもしれません。amazonでも買えるし、入手性が高い。
ただし、ちょっと高いんですよね。
で、少し前に、Lynx Cabin G43という中華ガソリンストーブが流行りまして。
おそらくはSVEA 123Rとまったく同じ仕組みのストーブなのですが、安全弁がなさそうなのと、中華製ということで敬遠してたのですが、こいつのバーナー部分には最初からサイレンサーが付いていて、しかも別売りもしているという念の入れよう。
これ、完全にSVEA 123Rユーザー向けの製品ですよね!?
というわけで、この中華ガソリンストーブのサイレンサーキャップを試してみました。
Lynx Cabin G43 サイレンサーキャップ
この中華ストーブのサイレンサーキャップは、SVEA 123Rのチューリップにサイレンサーを載せたような形状をしています。
SVEA 123Rのチューリップと比較すると、サイレンサーキャップの方が2cm弱ほど背が高い。
単にサイレンサーの分だけ高いのではなく、ベースのチューリップ部分の形状自体が、背が高く、またふっくらとした形状になっています。
使い方は、SVEA 123Rのチューリップを外して、かわりにサイレンサーキャップをつけるだけ。
サイレンサーキャップのスクリューの精度がイマイチなのか、それとも規格が合ってないのか、ビミョーに締めづらいので、SVEA 123Rのネジ山を舐めないように注意が必要です。力をいれず、まっすぐに締め回せば問題ないと思います。
インプレッション
予熱ののち、いざ燃焼。
気化したガスが小さな穴から噴出するためか、若干、着火しづらいのですが、無事火が点きました。
そして、その燃焼音は…
想像以上に、めちゃくちゃ静か!!
SVEA 123Rの通常の燃焼音が
草刈り機のようなバタバタとした断続的な燃焼音
だとすれば、サイレントキャップのそれは
DCモーターのサーキュレーターを思わせる静音
という感じ。
細かな穴から覗く青い炎もそれなりにエレガント。
暗いところで見ると、あまり炎の高さは高くなく、火力を横に広げているように見えます。また、上部は赤火になっているようです。
炎の色としては完全燃焼してそうなのですが、サイレンサーの高さがあるせいで、鍋底のすぐ近くで燃焼する形になります。
あまり効率が良くないかもしれません。
感想
サイレンサーキャップに付け替えるだけで、まったく別モノのストーブに生まれ変わったと言って良いほどの衝撃的な静かさに、めちゃくちゃビックリしました。
もとの騒々しい燃焼音に比べれば、無音と言っていいほどの静かさ。
そして、これは本当に意外だったのですが、次の瞬間には懐かしくなっていました。
あのやかましくも頼もしい燃焼音を。
はっきり言って、物足りない。SVEA 123Rの良さが、完璧にスポイルされている気がする。
ここではたと気がつくわけです。
SVEA 123Rの良さとは、その狂気じみた燃焼音と、消火した直後に訪れる静寂なんだな、と。
このサイレンサーキャップ、正直に言いますと、まったく使ってません。
おまけ
SVEA 123Rとバーナー部分の規格が同じOPTIMUS 8Rにも装着できます。
ただし、PRIMUS 8Rにはサイレンサーキャップが空転してうまく装着できませんでした(Lynx Cabin G43 サイレンサーキャップの工作精度のバラツキによる問題の可能性もあります)。
なんとなく、サイレンサーはSVEA 123RよりもOPTIMUS 8Rの方が似合いそうな気がして、こっちで積極活用しようかなーとも思っていたのですが。
サイレンサーの背が高いせいで、OPTIMUS 8Rを収納時しようとバーナーをスライドさせると、ロストルというかゴトクにサイレンサーがギリギリ干渉するかしないかという高さになってしまい、気分が萎えます。
というわけで、この記事は、今後、活躍の機会がなさそうなサイレンサーキャップを供養するために書かれました。
でも、サイレンサーキャップのおかげで、SVEA 123Rの本当の良さを再発見できました。ありがとうございます。
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