や、やってしまった…。ついに、禁断のガソリン燃料に手を出してしまった…。
アウトドアに最適なガス燃料
ほぼメリットしかないガス燃料
何年も前に登山を始めたとき、ポータブルな熱源の燃料として最初に買ったのは、PRIMUSの「P-153ウルトラバーナー」というガスストーブでした。まったく壊れないので、いまでも現役で使ってます。
ぶっちゃけ、アウトドアでの使用を考えれば、OD缶でもCB缶でも、とにかくガスがいちばん安全でいちばん楽だと思っています。
燃料がこぼれたりもしないし、扱いもカンタン。火力は安定していて、点火にも消化にも「コツ」のようなものはものは一切なし。ストーブは小さくて軽く、まさにアウトドアのための火器と言って良いと思います。
ガス燃料の弱点として、低温化におけるドロップダウン…つまり、ガスが気化できず、火が点かなくなること…が挙げられます。が、自分は雪上キャンプにおいてもドロップダウンの経験がなく、フツーに使えてたり。
一応、ガス缶にはカバーをしているし、寒さに強いガス缶にしてるはずだし、近年では上品にもバーナーシートなんかを敷いてたりしますけど。要は自分くらいの生っちょろい使い方の場合、ガス缶でまったく問題がないし、不安もほぼなし。安全で快適。
最初のころは「燃料を統一して荷物を軽量化、運用を合理化しよう」とか言って、ガスランタンを導入したりもしました。
LEDランタン全盛期の現在では、ガスランタンは「ロマン枠」といったところです。それでもオイルランタンよりは光量が大きくて、熱源にもなるので、いまでもわりと好んで使ってます。
ガスカートリッジ方式の欠点
アウトドアにおいては非常に評価してるガス燃料なんですけど、唯一にして最大の欠点だと思っているのが、ガス缶のゴミが出まくることです。
この使い捨て感。
サスティナブルな社会を信奉しナチュラリストを標榜する我々アウトドアマンとしては、この使い終わりのガス缶が視界に入るたびにイライラするし、アウトドアマンでなくても、まぁ、エコじゃないよね、くらいの感想は持つと思うし、単純に燃えないゴミが増えていくのはSDGsとかエコとか全く関係なく、物理的にも精神的にもリソースを消費して良くない。
あと、「ガスカートリッジ方式」のトレードオフなので仕方がないのですが、運用中も「中途半端に燃料が残ったガス缶」の対処に困ることになります。新品ならガス缶をひとつ持っていけば良いところを、中身の見えない中途半端なガス缶の場合、途中で無くなってしまうリスクを軽減するために、予備のガス缶を持っていく必要が出てきます。
予備やバックアップを用意すること自体はアウトドア・アクティビティにおいては普通のことなのですが、それが「ガス缶単位でしかできない」ことが問題なんですよね。ガス缶サイズ以下には小分けにできない。
燃えないゴミが出ることよりも、残量が中途半端なガス缶が出ることの方が、イライラ度は高いかもしれません。だからこそ、ガスを移し替えて余ったガスを使い切るようにしたり、あるいはガス缶の重さを計るなどしてリスクを減らす運用にしたり、皆さんいろいろと工夫されているのだと思います。
ガソリン燃料というロマン
という感じで、これまでのアウトドア人生では、安全で快適なガス缶をメイン燃料として使ってきたのですが、今シーズンは固形燃料、アルコール燃料とガス以外の燃料を使ってみて、とくにアルコール燃料というか液体燃料の良さに気づくに至ります。
燃料を移し替えて使用する前提なので、ゴミが出ないし、バックアップの量調整がカンタン(缶単位ではなく、液体単位で調整できる)。ガス缶の欠点を完全にクリアしているわけですよ。
もちろん、アルコール燃料にも欠点はあって、
- 火力調節が難しく、最大火力も限られている
- 液体に直接着火する(気化しながら燃える)ことによる扱いの難しさ
- たぶん燃費はイマイチ良くない
というようなデメリットは感じるものの、それらを補って余りあるロマンも感じるわけです。
そっかー、ロマン感じちゃうかー。ロマンもアリなのかー。自分、アウトドアにロマン求めていきますかー。
ここで、むくむくと頭を持ち上げる「ガソリン燃料への憧れ」ですよ。
よく知らんが、ガソリン燃料はガス缶よりも低温化のドロップダウンに強く、気化させて燃やすため、アルコール燃料よりも火力の調整に優れ、液体燃料なので、ガス缶のデメリットはなく、さらには、ここが重要なのですが、
ロマンの塊
じゃないですか。
ガソリンですよ、ガソリン。普段、クルマやバイクを動かしているあのガソリンを燃料にしちゃう。
正確には、クルマやバイクの燃料であるガソリン(レギュラーもハイオクも)と、アウトドア用品とか洗浄用とかで使用されるホワイトガソリンは別物として区別する必要がありますが、まぁ、ここではロマンを感じてほしい。
ガソリンストーブ
これはもう、そろそろガソリン燃料のストーブに行ってもいい頃合いということなのかも知れない。
SOTO(新富士バーナー)
アウトドア界隈をここ数年観察してきて、ずっと気になっていたのがSOTOの「MUKAストーブ SOD-371」です。液体燃料のストーブの面倒な儀式、プレヒート(予熱)が不要という技術的な革新性もあり、初心者にも手が出しやすそう。
日本のメーカーという安心感もあるし、導入するなら自分にとっては初の分離式のストーブということになります。
購入動機としては十分なのですが、調べていくと、MUKAストーブはホワイトガソリン、レギュラーガソリンは使えるものの、ハイオクガソリンは使用できないみたい。ハイオクガソリンは良いとして、灯油も使えないのか…。
ここに来て、急にマルチフューエル・ストーブ…つまり、複数の燃料が使用できるストーブが気になり始めて、ホワイトガソリン、レギュラーガソリンが使えるなら、まぁ、マルチフューエルって言ってもイイんじゃないかとは思うけど、灯油が燃料として身近な北陸の民としては、どうせなら灯油も使えるマルチフューエル・ストーブがイイ。
SOTOにおけるマルチフューエル・ストーブは「ガスとガソリン」が使える「ストームブレイカー SOD-372」も有名なのですが、個人的にはガスとガソリンを使うシーンというのがあまり想像できなくて、ガスを使うならこれまでどおりPRIMUSの「P-153 ウルトラバーナー」を持っていけば良いし、そもそもガス缶を減らしたいのにガス対応の火器を増やしてどうする、という気もして、灯油が使えないこともあり一旦却下。
MSR
灯油が使えるマルチフューエル・ストーブと言えば、個人的に好きなアウトドアメーカーであるMSRの「ドラゴンフライ」とか「ウィスパーライトインターナショナル」が思いつきます。
調べた感じ、以下のような違いがあるみたい。
- ドラゴンフライ
- 使える燃料:ホワイトガソリン・無鉛ガソリン、灯油、軽油、ジェット燃料
- うるさい
- ウィスパーライトインターナショナル
- 使える燃料:ホワイトガソリン・無鉛ガソリン、灯油
- 火力調整が不得意
- 静か
実績も十分なMSR製で、とくに「ウィスパーライトインターナショナル」は必要十分なスペックで手を出しやすい価格帯であり、MSRならコレだなーという気はしたのですが、なんというかまだピンと来ない感じ。
なんだろう、質実剛健すぎて、ロマン要素が足りないのか…?
OPTIMUS
という流れの中、次に知ったのがOPTIMUSの「スベアストーブ 123」というストーブでした。
マルチフューエルでもないし、分離式でもない。
Optimusのマルチフューエルな分離式ストーブと言えば、「NOVA」とか「NOVA+」、ガス缶も使える「POLARIS」ということになると思うのですが、それらはけっきょくSOTOの「MUKAストーブ」「ストームブレイカー」やMSRの「ドラゴンフライ」「ウィスパーライトインターナショナル」と競合してしまって、悩むことになる。
それよりは、マルチフューエル、分離式という視点を一旦忘れて、100年以上変わらないデザインというクラシカルなガソリンストーブで、まずは「ガソリンストーブとはどんなものか」ということを体験するのもアリなんじゃないのか?
このタイプのストーブはほかにもいくつもあるようだけど、現役で生産していて、代理店がいて入手性も高いというところもポイントが高い。
ということで、OPTIMUS「SVEA 123R」を若干震えながらポチりました。
めちゃくちゃ長くなったので、レビューは(↓)に分けました。
コメント