「Googleが掲げる10の事実」から得られるサラリーマンへのヒント

雑な戯言
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Googleは「Googleが掲げる10の事実」という、同社の哲学を示すリストを公開しています。

💡Google が掲げる 10 の事実(英語版: Ten things we know to be true)

10の事実を以下に引用します。

  1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  2. 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  3. 遅いより速いほうがいい。
  4. ウェブ上の民主主義は機能する。
  5. 情報を探したくなるのはパソコンの間にいるときだけではない。
  6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
  9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  10. 「すばらしい」では足りない。

原文に「これらが事実であることを願い、常にこのとおりであるようにつとめています」とあるように、このリストはGoogleが目指す理想であり、現実的には事実ではないものも含まれている、という点には留意すべきです。

しかし、さすがは人類の英知が集まったGoogle様のリスト。スタートアップを興す人が、このリストからひとつふたつ選んで社是にし、本当に心の底からそれを是として経営すれば、立派な会社に成長しそうです。

一方、凡人サラリーマンが成長するための行動方針として見ても、めちゃくちゃ使えるヒントにあふれています。これらを、サラリーマンが現代社会を生き抜くヒントとして解釈しなおしてみよう、というのが今回の試みです。原文を当たりながら読んでみていただけると幸いです。

ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。

相手の立場に立って物事を考えれば、結果がついてくる、と言うことです。

原文には

Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。

Google が掲げる 10 の事実

とありますが、Googleは営利企業であるため、本質的には「自社の(あるいは株主の)利益が第一」なのです。短絡的にはそうなのですが、しかし、「ユーザーの利便性を第一に考えれば、自然と自社の(あるいは株主の)利益がついてくる」という因果を考えた方がうまくいく、ということだと思います。

例えば、SEO対策としてテクニックがいろいろとあると思いますが、結局は「ユーザーにとって有益な情報を提供する」ためのテクニックであり、「ユーザーに情報を提供するための手段である検索エンジンを、うまく機能させる」ためのテクニックだと言えます。検索エンジンにフォーカスするのではなく、検索エンジンの先にいるユーザーにフォーカスするということです。

相手のことを考えるというのは、人間が社会性を持った生き物である以上、非常に幅広く応用がきくテクニックだと思います。何か課題にぶつかったときに「この場合の相手は何か」「その相手の立場に立つとどうなるか」を考えてみると、突破口が見つかるかもしれません。

1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。

端的に言えば「選択と集中」と言うことです。

残念ながら、サラリーマンとして仕事をしていると、全方位に目を配り、全方位的に頑張れ、という指示が降りてきたりします。しかも二言目に慌てて「集中せよ」と言ってきてタチが悪い。あと、頑張れってなに?

当然、全方位に集中することはできません。それは集中とは言いませんからね。

あなたの上司がデキる上司なら、上には全方位的に頑張ると言い、下には優先順位を示し、順位の上から順に片付けるように指示してくれるはずです。もしそれがデキない上司なら(つまり、上司の上からの指示をそのまま下に流すような上司なら)あなたが上司に代わり優先順位をつけて仕事を片付ける必要があります。

ちなみに、ときどき優先順位と優先度を混同し、全ての仕事の優先度が高いと言ってくる上司がいると思います。これは、全方位的に頑張れと言っているのと同じなので、存分にデキない上司の烙印を押してやりましょう。烙印を押しても仕事は減りませんが、溜飲は下がります。

遅いより速いほうがいい。

「Googleが掲げる10の事実」においては、サーバーやブラウザの性能的な速度について、速くあれ、と言っています。したがって、あなたが作るサイト、あなたが作るアプリは高速である必要があります。

少し拡大解釈をすると、例えばFacebookには

素早い実行は完璧に勝る(DONE IS BETTER THAN PERFECT)

Google が掲げる 10 の事実

というモットーがあります。

「速い」ではなく「早い」なので、ちょっとこじつけ感はありますが、要は完璧を目指すより、まずは終わらせろ、ということです。

一般的には、完璧を目指すこと自体は良いけども、素早くフィードバックを受けて(フィードバックループを高速で回転させて)、軌道修正しながら仕事を進めた方が良いよ、ということです。

ウェブ上の民主主義は機能する。

オープンソースソフトウェアの成功は、ウェブ上の民主主義によってなされたというのが一般的な解釈だと思います。

一方で「ウェブ上の民主主義」は、(うまく機能はしても)時間がかかりすぎる、という側面もあるかもしれません。

自分たちの仕事のどの部分に民主主義を持ち込むか、考えさせられます。

情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。

「Googleが掲げる10の事実」においては、モバイル体験を重視せよ、と言っています。したがって、あなたが作るサイト、あなたが作るアプリはモバイルファーストであることが求められます。

さておいて、情報を探したくなるのはほかにどんなシーンがあるでしょうか。あるいは、何かをしたくなるのは何をしているときでしょうか。このような切り口でユーザーの立場に立って考えると、新しいビジネスのアイデアが生まれるかもしれません。

悪事を働かなくてもお金は稼げる。

あなたの生き方の問題です。

世の中にはまだまだ情報があふれている。

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるかという書籍に「隠れた真実」という概念が出てきます。

どんな会社を立ち上げるべきかを考える時、問うべき質問は二つ──自然が語らない真実は何か? 人が語らない真実は何か?

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

「隠れた真実」に誰よりも先に気づき、競争を避けて独占せよ、というのがこの書籍の主旨です。

Googleの言う「世の中にはまだまだ情報があふれている」という事実を、この「隠れた事実」が世の中にはまだまだあふれている、と考えれば、我々にも勇気がわいてくるというものです。

また、別の切り口として、次のように考えることもできます。あなたが取るに足りないと思っている情報を、必要としている人がまだまだ世の中にはあふれている、という考え方です。それらの情報を構造化し、体系的に提供できれば、ゼロから何かを生み出せる可能性があります。

まだ世の中にはニーズが発見されていないが、しかしひとたび発見されればそれなしには生活できないほどの情報とはなんでしょうか。

チャンスはまだ発見されていないだけで、ずっと目の前にあります。

情報のニーズはすべての国境を越える。

あなたが生み出す情報を翻訳してみてはどうでしょうか。YouTube動画に字幕をつけてみてはどうでしょうか。文字が読めなくても直感的に理解できるよう、イラストで表現できないでしょうか。

あなたが作るサイト、あなたが作るアプリを多言語化に対応させられないでしょうか。

国境という枠をこえて、リーチする裾野を広げられないか考えてみましょう。

スーツがなくても真剣に仕事はできる。

もちろんスーツを着なくたって真剣に仕事はできます。が、だからと言って身だしなみに気をつけなくて良い、TPOをわきまえなくて良いという話ではないので、スーツが必要ならスーツを着ましょう。

ここでは、どちらかと言うと「スーツ組」「背広組」がいなくても仕事はできる、あるいはいない方が仕事が進む、ということを伝えたい。

もしあなたが「スーツ組」ならば、いつでも仕事は現場が進めているということを忘れてはいけません。あなたの役割は現場の仕事がスムースに進むように調整することであって、現場の足を引っ張る「管理」をすることではありません。

もしあなたが現場の人間なら、「スーツ組」がいなくなっても仕事が進むように体制を整えておくべきです。フラットな組織の方が物事がうまく進む場合があるし、その準備はいつでもできます。

もしあなたが経営者なら、無意味な官僚文化が組織内にはびこっていないか、点検をおススメします。

「すばらしい」では足りない。

もし、10の事実からひとつを選ばなければいけないとしたら、ぼくはこの『「すばらしい」では足りない』を選びたい。

時間は有限であり、その有限時間の中で最善を尽くすのが現代人の使命だとは思っています。しかし、あまりにも「 この辺でOK」「ここが必要十分な到達点」と早めにレースを自ら降りていることはないでしょうか。

最善を尽くすのは当たり前。ゴールにたどり着けば大したもの。でもそのゴールの先に辿り着きたい。ゴールのその先の一歩を貪欲に踏み出したい。Great just isn’t good enough.

とは言え、「すばらしい」のその先を目指すということは、少なくとも「すばらしい」をクリアしていなければいけないわけですけどね。まずは人並みに「すばらしい」に到達しないと。

コメント

  1. […] ソースからの抜粋: … […]

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