自分のクッカーの利用シーンを考えると、圧倒的に
- カップ麺・コーヒー・紅茶のお湯を沸かす
- 棒ラーメンを茹でる
の2つのパターンが多いのですよ。
確かに、3パターン目として
- 炊飯
もあるのですが、頻度で言うと、上の2つのパターンがほとんど。
そしてこの2つのパターンはこれまでほぼLixadaのチタンクッカーを使ってきたのですが、
そろそろ、U.L.界隈ではおなじみ、日本が誇る俺たちのEVERNEWの名品クッカー「Ti Mug Pot 500」に手を出してもいいんじゃないか、と。
Ti Mug Pot 500の特徴
ヤケクソに軽い
まず、重さ。スペックでは75グラム、実測は74.9グラムとほぼ誤差なし。素晴らしい工作精度だし、素晴らしく軽い。
このタイプのクッカーで双璧をなすと思われるTOAKSの、例えば「TOAKS LIGHT TITANIUM 550ML POT (ULTRALIGHT VERSION)」は蓋付きで72グラム。
「Ti Mug pot 500」の樹脂カバーがついたハンドルや、わりと複雑な蓋の形状を考えれば、世界的に見ても最軽量のクッカーのひとつと言って良いと思います。
軽さの秘密はその厚さにあり、0.3mm厚というチタンの薄さは業界トップクラス(MP500 FLAT)とのこと。
ちなみにLixadaチタンクッカーの650mlは、実測で109.1グラムでした。
Lixadaの方が少しサイズが大きいため、フェアな比較ではないですが、明らかに「Ti Mug pot 500」の方が薄いし軽い。
ちなみに、650mlのLixadaのチタンクッカーと比較すると、このくらいのサイズの違いです。
すべてがイケてる蓋
購入前から「これは絶対に良いだろう」と思っていたのが、蓋のデザインです。
まず、樹脂付きのハンドル。緊急時にとっさに素手で触れるのは、当たり前に正しい仕様だと思います。
たしかに、樹脂が付いていると焚き火に突っ込めない、少し重くなる、などの重箱の隅をつつくようなデメリットはあるとは思います。
でもこっちもそろそろ大人なんで。心理的安定性を欲してるんで。
あと、ハンドルがしっかりと自立するのは本当にサイコーです。
再出になりますが、この左側のLixadaの蓋のハンドルを見てくださいよ。
ハンドルが倒れているのが分かると思います。
650mlはハンドルを立てておけるギミックが存在するのですが、マジですぐに倒れるし、ストーブに乗った状態の、熱々のクッカーの蓋のハンドルが倒れると、マジで絶望のあとに猛烈なイライラが押し寄せます。
「Ti Mug pot 500」のハンドルはかなり固く固定されて自立するので、自然に倒れるなんてことは有り得なさそうです。繰り返しになりますが、サイコーです。
そしてこの蓋、縁の円周がぐるっと凹んだデザインになっているのですが、
おそらくこの凹みにより、逆さにして振った程度では蓋が外れないくらいにしっかりと蓋がしまるようになっています。
これだけ蓋がしまっていれば、お湯を注ごうとクッカーを傾けていって、いきなり蓋が外れる、みたいな事故が発生しづらいはず。
一応、お湯を注ぐときは蓋を押さえたほうが良いとは思いますけどね。ハンドルに樹脂が付いているので、蓋を押さえる指が火傷するリスクも小さいと思います。
必要十分の目盛り
内側の目盛りはml表記で200と400、OZ(オンス)表記で10と15が打たれています。
1oz.(オンス)が29.5735mlらしいので、10OZの目盛りは300ml、15OZの目盛りは450mlと読み替えて良いと思います。
なお、満水では550ml入るようです。
しっかりとした注ぎ口
注ぎ口はしっかりと造形されていて、ケトルなみにお湯を注ぎやすそうです。
コーヒーのドリップも得意そう。
「アルコールストーブ用スタンドDX」専用の底
「Ti Mug pot 500」 の底面は平らではなく、このように段差が設けられています。
これも「Ti Mug pot 500」を選んだ圧倒的な理由のひとつなのですが、この底の段差がEVERNEWの「アルコールストーブ用スタンドDX」にぴったりハマります。
この段差はミュニークの風防兼ゴトク「X-MESH STOVE(large)」にも合うらしいという情報も得ています(残念ながら自分が持っているのはlargeサイズではないフツーの「X-MESH STOVE」)。
EVERNEWから「Ti Mug pot 500 Stove set」としてセット販売されているくらいなので、おそらく同時期にサイズを合わせて開発はしたはず。
「アルコールストーブ用スタンドDX」購入当時、ここまでよく使用するとは思ってなかったので、いま考えるとセットで買っても良かったかなぁと思っています。
なお、段差がある底面のせいで、「アルコールストーブ用スタンドDX」を使用していないユーザーからは「接地面積が狭くなり、安定性が悪い」という声も出たようです。そのようなユーザー向けには、「MP500 Flat」という「底面がフラットなTi Mug pot 500」もあります。
本当にお待たせしました。
エバニュー公式オンラインショップ / MP500 Flat
底に段差のない「Ti Mug Pot 500」です。
底面をフラットにする事で、ガスストーブ使用時の安定性を向上し安心して使用出来るようになりました。
開発担当者に心の段差がなくなりフラットな気持ちになったことの現れです。
「MP500 Flat」の方が新しく、色使いも渋くて、把手にも樹脂が付いていて、もちろん底がフラットなど、よく考えられた差別化がなされているのですが、個人的には「アルコールストーブ用スタンドDX」と組み合わせたくて、「Ti Mug pot 500」を選びました。
スタッキングはどうか
みんな大好きスタッキングについて。
当然、「アルコールストーブ用スタンドDX」は完璧に入ります。
さらにBICライターとGSIの「シリコンポットグリッパー」(シリコン製の鍋つかみ)を入れても蓋がしまります。
が、SOTOの「マイクロトーチアクティブ」は鍋には収まるものの、蓋をしめることはできませんでした。
ポット上部に内径ギリギリのものが収まらないのは、蓋の特殊な形状がポット上部の容積を圧迫しているためだと思われます。
110サイズのOD缶もピッタリ入りますが、ガスバーナー(プリムスのP-153)は同時に入れることはできません。
小さめのバーナー、例えばSOTOのアミカスとかなら入ったりするんでしょうか。
カッコいい収納袋付き
地味に嬉しかったのが、おそらくタイベック製と思われる収納袋が付属してきたことです。
すぐに汚れそうだけど、なかなかカッコいい。
収納袋に入れれば、小物がスタッキングできないなどという小言は些末な問題になります。
まとめ:オトナの余裕を感じる、使い勝手に優れた軽量チタンカップ
チタン製なのに、言うほど軽くないアウトドア製品も多い中、0.3mm厚という薄さを実現することで、しっかり軽く仕上げている「Ti Mug pot 500」。
とくに蓋の意匠についてはよく考えられていて、若干野暮ったい印象を受けるものの(個人の感想です)、使い勝手にこだわった造りになっています。控えめに言ってサイコーです。
カリッカリのU.L.指向であれば、「Ti 400 NH」や「Ti 400FD Cup」、あるいは「Ti 570FD Cup」あたりを狙うのも良いでしょう。しかし、ちょっとした使い勝手やリスク回避を目指すのなら、「Ti Mug pot 500」という選択肢は絶対的に「アリ」だと思うのです。
オトナの余裕だとすら思うのです。
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