「マスターピース」という言葉があります。
名作、傑作、代表作というような意味ですが、「もうほかのものは要らない」「次に買うときも同じものを買う」というお気に入りという言葉では済ますことができない、人生を形作る大切なピースのようなモノだと捉えています。
人生とは、マスターピースを探す旅路なのかもしれない。
さておいて、学生時代からパーカーを好んで着用しているワタクシ、それなりにコダワリがあるんですけど、いま、この手元にあるイエティナの「pullover hoodie classic」はそのコダワリポイントをいくつも逸脱しているにも関わらず、
パーカーは一生コレしか着ない
と思えるくらいに衝撃を受けております。
なんだったんだよ、これまでの自分のパーカーに対するコダワリって…。
イエティナのパーカー、セールしてるってよ
数年前、オシャレでカジュアルなアウトドア界隈において、ひとつのパーカーが流行りました。イエティナの「pullover hoodie」です。
その特殊な起毛を実現するために、古い編み機を使い、製造数も限られるというストーリー、希少性も相まって、ミーハーなワタクシも欲しがったのですが、値段を見てそっ閉じしましたよね。
たっかいんだもん。
で、本当に偶然なのですが、先日、たまたまイエティナのサイトを見たところ、「pullover hoodie classic」がセールをしているのを発見。
しかも、「在庫限り」とのこと。
とくにこの界隈をウォッチしてきたわけではないので推測なのですが、もしかしたらclassicラインは廃版になり、現「pullover hoodie」ラインに製造ラインを絞るのかもしれない。
ということは「pullover hoodie classic」は二度と入手できなくなるかもしれず、それがいまセール価格で入手できるなら、入手しない手はないんじゃないか、と。
いちおう、一晩考えたんですけど、どう考えても買わないという選択肢はあり得なくて、それでもセール価格に慄きながら、震える手でポチりましたよね。
ちなみにポチったのはIron navyというカラー。本当はよりクラシックなfog blueというカラーが欲しかったのですが、すでに売り切れてました。なお、Iron navyもfog blueにも現ラインには存在しないので、この辺も「いまclassicを買う理由」になっています。
イエティナ「pullover hoodie classic」の特徴
公式サイトの説明
classicが廃版になったら、公式サイトのページも無くなってしまうかもしれないので、コピペを残しておきますね。
とにかく働き者のHoodyです。
サーフィンでは海上がりの冷えた体を温め、スノーボードのインナーとして活躍し、寝袋で寝る時も、カフェで仕事に打ち込む時でさえも寒さからあなたを守ります。
独自の特許技術で起毛した生地は、抜群に暖かく、優しい肌触り。非常に伸縮性に優れる編みの構造で、動きを妨げません。すっきりと仕上げたシルエットは、レイヤリングの嵩張りを抑えるので極寒時のインナーにも最適です。
生地はアクリル、ナイロン、ウールの混紡素材で、天然繊維100%の生地よりも軽く、バルキーな生地に仕上がっています。
極寒の環境にはYETINA Pullover Hoodieがお供します。・特殊起毛の構造により非常に暖かい生地。
・肌あたりの優しいフラットシーマの縫製。
・ダボつかない頭部にフィットするフード。
・タテヨコ2Way ストレッチ構造。
・カンガルー型のハンドウォーマーポケット。
・アクリル63%、ナイロン19%、ウール16%、ポリエステル1%、ポリウレタン1%
・日本製モデル着用サイズ(Mサイズ)
モデル身長(175cm)、体重(65kg)※お洗濯には酵素、漂白剤入りの洗剤を避けてウールが洗える洗剤を使用してください。タンブラー乾燥は縮む恐れがあるので、絶対に避けてください。
引用:Yetina pullover hoodie classic – yetina (残念ながらリンク切れ)
もっちもち
「pullover hoodie classic」に触れた瞬間に直感し、袖を通した瞬間に確信するこの感覚…
なにこの「もっちもち」感…
「ボリューミー」とか「もふもふ」とかそういうありきたりな表現は、とうの昔に超越しています。とにかく
ポン・デ・リング並みに「もっちもち」
なんですよ。「もっちもち」がありきたりな表現だと言うならば、それは甘んじて受け止めますが、ありきたりだろうとなんだろうと「もっちもち」だし、確実に全人類が好む触感だと断言できます。
この「もっちもち」感を演出しているのは、おそらくその特殊な起毛と、生地厚、そしてコットンのスウェットではあり得ないような伸縮性にあると思います。
これが裏地の起毛加工。
びっしりと密度の高い毛足は、まるで冬毛に換わった獣のようです。ちょっと具体的な獣は思い浮かばないので想像で書いてますけど。
そして、もっちりした生地厚。
かなりの厚みがあり、それに比例してパーカー自体が重たい。体重計で測ったら0.8kgと表示されました。
伸縮性は素晴らしく、ヘビーウェイトのコットンパーカーで感じるようなゴワつきは一切なし。ねっちりと身体に追従してくれる感覚は、セーターのそれに近い気がします。
ちなみに素材は
- アクリル:63%
- ナイロン:19%
- ウール:16%
- ポリエステル:1%
- ポリウレタン:1%
と、意外にもウールの割合が少ない。というか、思った以上に様々な化繊が混ざってるんだなという印象。
昔ほどウール信望者ではないというか、化繊の進化を信じているので、長く快適に着られるなら(そしてコストも抑えられるのなら)どんどん化繊を使ってくださいという気持ちではあります。
フード
パーカーといえばフードであり、個人的なコダワリポイントも詰まっているのですが、「pullover hoodie classic」はかなりそのコダワリポイントから外れている印象。なのに、良い。
フードのサイズは若干小ぶりで好印象。その生地厚により、しっかりとフードが立つし、フードの立ち姿もキレイで文句なし。
細かいコダワリポイントで言うと、まずフードは裏地も表地であってほしい。要は、表地がそのまま裏地として覆っててほしいんだけど、「pullover hoodie classic」は裏地はそのまま裏地が出ています。
これは生地厚があるのと、裏地の起毛を有効に使いたいというデザインだと思うので、アリだとは思います。
フードの紐もあってほしいけど(あっても外して使いたいんですが)、これはややクラシカルな雰囲気と、生地感から、ないのが正解かもしれません。
フードの口の周りのステッチはない方が好みなんですが、これも裏地が裏地になっているデザイン上、仕方がなさそう。
フードの根本がクロスしているのは、好みと合致しています。
つまり、好みに反するところがいくつもあるんだけど、全部許せちゃうし、なんならコレが正解で、自分のコダワリが無意味だった可能性も示唆されます。これはつらい。
カンガルーポケット
小ぶりのカンガルーポケット。ヒジョーに好みのデザインで、まったく文句なし。
ポケットの裏側は起毛しているので、ハンドウォーマーになります。伸縮性があるため、手の入れ心地もサイコー。
手を突っ込みすぎて、ポケットの口が伸びないかだけが心配です。
袖口と裾
用語があっているか非常に不安ですが、袖口と裾のリブの長さは同じでした。
個人的には両方とももう少し長く取られている方が好みだったりします。が、これも「pullover hoodie classic」全体のバランスを見ると、この長さがベストとも思えてきます。
サイズ感
自分は身長164cmで、Sを選びました。
サイズチャート的にはSの上限に近いため、Mと迷ったのですが、Sにして正解というくらいにジャストサイズ。
伸縮性が高いこともあり、ジャストサイズの方がスタイルが出て、カッコよく着こなせると思います。
インプレッション
もっちもちに柔らかくて、伸縮性もあって、うっとりするような着心地です。
そして、なんだろう、すごく品が良いデザイン。
上にも書いたけど、伸縮性があるので、ジャストサイズの方がカッコ良く、上品に着こなせそうです。また、ジャストサイズだと身体に密着するので、着用時の暖かさも一段上がると思います。
伸縮性については本当に想像以上で、若干丈が長いデザインなのも影響しているかもしれませんが、普通に着ていれば普通の長さなのに、裾を下に伸ばすと、お尻が隠れるくらいになります。丈が短いウェアの場合、冬は腰回りの冷えが気になることもあるので、この伸縮性は嬉しい。
生地厚と起毛により、暖かさは想像以上。今年は記録的な暖冬ということもありますが、上着として「pullover hoodie classic」だけを着て、寒くなく外出できます。むしろ、この上に上着を着てしまうと暑くてオーバーヒートしてしまいそう。運動量が少なめのアクティビティで活躍しそうです。
普段着として考えると、まぁ、めちゃくちゃ好みのデザインとステキな着心地で、「冬の間ずっと着ている」タイプのウェアになりそうです。
そうなると気になるのが耐久性。メーカーが
着用時の摩擦による毛玉は、避けられない現象です。
と言っているので、やっぱりできちゃうんでしょう、毛玉。どのくらいできるのかは経過観察していきたいところですが、何年も冬の一軍を張ったという話も聞くので、耐久性もけっこうあるんじゃないかと思ってます。
まとめ:パーカーのマスターピース「pullover hoodie classic」
パーカーのマスターピースを探すぼくの旅路は、イエティナの「pullover hoodie classic」をもって終着。
もうパーカーは一生コレしか着ない。
しかし、マスターピースを見つけた直後から始まるのが、次のマスターピース探しの旅なのかもしれません。
パーカーは一生イエティナしか着ないと決心したのは事実。でも、そこで成長が止まってしまうとも言えるんじゃあないのか?
そんな気持ちもあって、一生分の「pullover hoodie classic」を買いだめるのはやめました。まぁ、そもそも、そんな資金力ないんですけども。
公式サイトにはまだ少し在庫が残ってます。気になる方は急げ。売れてもワタクシには一銭も入ってこないので、安心してポチれ。
代わりと言ってはなんですが、この前まで着ていたロスアパのパーカーを貼っておきます。ゴシャゴシャした生地感で裏起毛のアメリカンなパーカーです。
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