Patagoniaの銘品フリースに「レギュレーター・フリース」というものがあります。現在においては、R1はいろんなバリエーションが出てるけど、大別するとR1とR2の2種類なんですかね。昔はR1からR4まであった記憶。
で、R1。冬の、比較的高強度のアクティビティの中間着として、世界中の人に愛されたと思うし、ぼくもスノーボードのミッドレイヤーとして、バックカントリーのハイクアップ時のアウターとして、愛用してました。してました、って過去形ですけど、現在においても厳しめのコンディション・未知のコンディションに臨むときには、やはりR1を着ています。
例えば、立山の3泊4日のバックカントリーで着用してたR1プルオーバー・フーディの画像がこちら。
自撮り習慣がない・ソロ活動が多いため、ウェア系は画像がぜんぜん残ってないことが分かりました…。
ということで、ずっとPatagoniaのR1フリースLOVEが続いたし、いまでも大好きなのですが、これは1つのブランドにロックインされている状態とも言えます。
より新しいテクノロジーにも触れてみたいのと、リスク管理という意味でも、何年か前から「R1代替品を探す旅」に出ているのでした。
STATIC ADRIFTシリーズ
で、さいきんよく耳にするSTATICの「ADRIFT」シリーズ。
STATICは2020年にスタートした国産アウトドアブランドで、様々ある製品の中、「ADRIFT」シリーズは生地に帝人のOcta CPCP素材を採用した、人気のインサレーションという理解です。
ADRIFTシリーズで言うと、おそらく「ADRIFT CREW」や「ADRIFT P/O HOODY」の方が人気があると思います。
自分も最初は「ADRIFT P/O HOODY」(P/Oは「プルオーバー」の略だと思われます)にしようかと思っていたのですが、スノーボードでの使用を前提とする場合、スマホを入れるためのポケットが欲しいんですよね。バッテリーが弱まったスマホをスノーボードで使う場合、身体に近い場所に持っておかないと、ソッコーでバッテリーが死んでしまうというのがその理由です。
調べてみたら、胸ポケットがある「ADRIFT HALF ZIP HOODY」を見つけたので、こちらを購入してみました。
スノーボード用、アウトドア用ということで、色はSmoked Pinkにしました。もし普段も着るのなら、もうちょっと落ち着いた色にしたと思います。
ADRIFT HALF ZIP HOODY
生地
生地は外側が起毛のないメッシュ素材。メッシュの穴はわりと大きめで、汗抜けが良さそうです。
内側は、かなり細い毛の起毛素材。
透かしてみると、こんな感じ。
かなり透け透け。
この、表側がメッシュで、裏側が起毛されている織り方がOcta CPCPなのかな。ちょっとよく分かってません。
ちなみに、帝人Octa自体は
穴の空いた中空糸に、8本の突起を放射線状に配列したタコ足型断面のポリエステル繊維。従来の中空糸を超える、吸汗速乾・軽量・遮熱/断熱・嵩高など様々な機能を併せ持ちます。
Octa® | オクタ® | 製品情報 | 帝人フロンティア株式会社
で、昨今のアウトドアウェアによく使われていますね。
デザイン
胸ポケットは左胸のグレーの部分全体で、ポケットとしてみるとかなり広いです。スマホ入れとしては十分ですが、大きすぎてポケットの中でスマホが暴れ回らないか、ちょっと不安。
ハーフジップは長く取られていて、みぞおちくらいまであります。オーバーヒート時の換気が捗りそうです。
フードのサイズ感はややルーズで、形状としては、首まで覆うタイプ。
個人的にはバラクラバのように、そしてR1プルオーバーフーディーのように、もう少しピッタリとしていて、口元まで(できれば鼻まで)覆うタイプの方が好きというか、スノーボードを前提とした場合、バラクラバを兼用させたいのですが。この形状だと、やはりフードで、バラクラバではないよね、という感じ。
サムホールはありませんが、サムループはあります。ゴムではなく、伸びない素材なので、びろびろになる心配はなさそうです。好印象。
なお、「ADRIFT」シリーズは、2023年にデザインをアップデートしたらしく、サイズ感が全体的にリラックスフィットに変わったようです。おかげで、そこまでテクニカルな印象はなく、普段着としても着やすいと思います。
ファーストインプレッション
とにかく軽い
公式サイトからネットで購入したのですが、届いた小包がとにかく軽い。
え、中身入ってんの? って焦ったくらいには軽くて、公式サイトに乗っているスペックは140グラム(Mサイズ)。
着ていてもぜんぜん重さを感じません。いや、服なんて重さを感じることは普段はないんですけど、そう言えば、さっきまで着ていた薄手のパーカーは肌にまとわりついていた感覚が思い出せるけど、いま着ている「ADRIFT HALF ZIP HOODY」にはそれがない、という謎の新感覚に襲われています。
最軽量のCREWにすると110グラムらしいので、お守り的な保温着としても活躍しそうな気がします。ヒジョーに良き。
保温性・通気性
着た瞬間、ふわっと暖かく、部屋の中でじっとしていればジワジワと身体が暖まってくるのを感じます。
一方で、通気性がとても高い。少し身体を動かしたり、涼しい場所に移動すると、スカスカと冷たい空気が入ってきて、ハーフジップを下げるまでもなく換気が進みます。
冷気が入って少し肌寒いかな? というタイミングでウィンドシェルを着ると、今度は瞬時に保温モードへ。本当にガチャンと音がしてモードが変わるように、急にほっこりと暖かくなります。噂には聞いていましたが、これもなかなかの新感覚で、実戦投入が楽しみ。
あくまでも感覚ですが、R1(ポーラテックのパワーグリッド素材)と比べると、保温性はR1の方が上で、通気性は圧倒的にADRIFTの方が上、という感じ。
Octaは、基本的には保水しない素材のはずなので、オーバーヒートして汗をかいたときに、すぐに表地から汗が蒸発していくと予想されるんですけど、この辺は類まれなる汗ビチョ男がバックカントリーでどうなるか、試してみたい感じ。少なくとも、ゲレンデ・スノーボードの中間着としては、完璧に機能しそうなくらいには暖かく、通気性も申し分なしと感じました。
耐久性
まともな運用はこれからないので、あくまでも現時点での感覚ですが、上にも書いたように表側はメッシュ素材なので、藪こぎなどで鋭いモノが当たるとソッコーで引っ掻き傷ができそうです。マジックテープとかも大敵な感じ。
ここまでの短期間の着用で、表地がうっすらと毛羽立ってきている気もします。耐摩耗性が弱い素材なのかもしれません。
ポケットは薄いリップストップナイロンなのかな。鍵などを入れておいて激しく動いた際、穴が開かないかな?って思うくらい薄いです。サリサリした触感で素材感は良いのですが。
まとめ:軽量で新感覚のアクティブ・インサレーション
とにかく軽量で保温性・通気性が異次元という印象の「ADRIFT HALF ZIP HOODY」。
「こんなに軽いのに着るだけで想像以上に暖かい」「少し身体を動かすとスカスカ換気される」「なのにウィンドシェルを着るといきなり暖かくなる」という初めての感覚に、思いっきり感動しています。
行動中も着続けられる保温着がアクティブ・インサレーションの定義だとすれば、間違いなくその一角を担うウェアであり、素材であるという気がします。
今冬、「HALF ZIP HOODY」を運用してみて良かったら、「CREW」か「P/O HOODY」、あるいは「VEST WITH SHELL」あたりをリピ買いしそうだよなーと、まだ運用を始める前から考えてしまうくらいには、幸先の良いスタートを切っている「ADRIFT HALF ZIP HOODY」でした。
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