今シーズン導入して以来、圧倒的な使用頻度を誇るEVERNEWのアルコールストーブスタンド。
ヒジョーに上品な形で使用感という名のチタンブルーにもなり、やたらと満足しています。
ただし、一点だけイマイチに感じているのがその風防能力の弱さ。
というワケでU.L.(ウルトラライト)系でお馴染みの「丸めるタイプのペラペラの風防」を探してたのですが、奇をてらわずに選ぶとなると同じくEVERNEWのTiフーボー EBY246ということになると思います。
この記事では、Tiフーボーの使い方についてレビューしてますが、その難しい組み立て方についても特に詳細に解説しています。
「風防の組み立て方が難しい」
何を言っているのか わからねー皆さまにおかれましては、最初にこちらを読んでもらってもイイ。それでも一回では伝わらないかもしれない。ごめん。
それ以外の皆さまにおかれましては、このまま読み進めていただきますと幸いです。
ケース
そのチタン製の風防は、こういうケースに入ってくるのですが、
EVERNEWの説明によると
Tiフーボーのパッケージは、PPの密封ケース。食品衛生規格で100〜-200℃対応で簡易的なお椀としても対応可能。400FDカップもすっぽり収納可能。
エバニュー公式オンラインショップ / Ti フーボー
とのこと。
ええやん。400FDカップ持ってないけど。PPはポリプロピレンのことだと思われます。
蓋に「切り取る」と書かれた箇所があるので、
こちらを切り取って
蓋を開けます。
ちなみにこちらの密封ケース、蓋をパチパチと押し込んで閉めるタイプで、ちょっと水ものは難しそう。水ものの持ち運びに関しては、ジップロックのスクリューロックの方が信頼性が高いと思います。
使い方
Tiフーボーは2枚セットになっているので、ご想像の通り、2枚とも丸めて重ねるのがスタンダードな使い方になります。が、後述しますが、この組み立て方が意外と初見殺しだったりします。
組み立てたら、風を防ぎたい対象物の周りを囲います。いや、まぁ、風防なんで。風を防ぎたい対象物の周りを囲う以外の使用法はないんですけども。
自分の場合は、アルコールストーブスタンドの風防として使う想定で導入したので、
アルコールストーブの貧弱な風防(兼ゴトク)を囲う風防、ということになります。シュール。
ただ、こうやって置いてみると、アルコールストーブスタンドの背の方が高いので、効果的に風を防げない気がしてきます。
ということで、アルコールストーブスタンドを一段(上部スタンドにアルコールストーブをセットする「低燃費・炊飯形態」)にして、
この状態でクッカーを置くと、どうでしょうか。かなり防風の効果がありそう。
で、はたと気がつくワケです。
え?
これで
良くない?
「おれは アルコールストーブスタンドのための風防を買ったと思っていたら いつの間にかアルコールストーブスタンド不要のアルコールストーブセットができあがっていた」
な… 何を言っているのか わからねーと思うが おれも 何をされたのか わからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
三角形の肉抜き
Tiフーボーには1枚につき、三角形の肉抜きが4箇所あるのですが、そのうちの1箇所は穴ではなくで切り欠きになっています。
この切り欠きは何に使うかというと、上側はクッカーの持ち手が風防に干渉しないようにしたり、
下側は分離式のバーナーのホースを通したりするために使うんだと思います(なぜか、分離式の火器を持ってないので、豊かな想像力で補完いただきたいです)。
Tiフーボーの正しい組み立て方
初期状態の問題
Tiフーボーを丸めてつなげるとき、ツメは内側から外側に向けて引っ掛けます。
この向きです。
外側から内側に向けて引っ掛けることもできますが、その引っ掛け方はすぐに外れてしまうと思うので、やはりこの(↑)引っ掛け方が正解だと思います。
で、このTiフーボーは2枚とも同じモノが入っているので、切り欠き(スリット)同士を合わせて上下に組み立てようとすると、ツメの向きが逆になります。
何を言っているか分からないと思うし、
この図を見ても、何のことか分からないとは思うのですが。
とにかく、このツメの向きのまま丸めて、2枚を上下に接続しようとするとうまくハマりません。
うまくハマらなくて、イライラすると思います。
数度失敗したのち、Tiフーボーのことが嫌いになっていると思います。
この仕様には皆さん苦労されているみたいで、例えば山旅旅のこちらの記事でも、切り欠き同士で重ねずに同じ向きで重ねています。
いや、一応この方法でもハマるといえばハマるんですよ。でも、切り欠きの深さが足りなくて、すぐに外れます。不安定です。やってご覧なさい。
何よりEVERNEW公式の画像が、こうなってる(↓)んですよね。
- 切り欠き同士で重ねる
- ツメの向きは(重ねた状態で)上も下も内側から外側に引っ掛ける向き
- この状態で重ねると、三角形の切り欠きは上辺側と底辺側にそれぞれ開く状態になる
この形で重ねるにはどうすれば良いのか、と。小一時間悩むのがもったいない人はぜひ、以下の対策に進んでいただきたい。
対策
この公式の重ね方ができるようにするには、片方のツメを反対側に曲げてやります。
これ以上、簡潔にも難解にも説明できないのですが、伝わらないと思うので、以下に図示しました。
「対策後」の方で、2枚の風防を重ねてみてください。
すべてが氷解するはずです。
Tiフーボーがまた好きになっているはずです。
スタッキング
スタッキングも簡単です。軽く、ペラペラに薄いので、クッカーの内側に沿わせるように入れておけば、まず邪魔になりません。
こちらはロータスアルミポットの内側にスタッキングした場合。
あと、チタン製だからなのか、ちょうど良い厚みだからなのか、あまり曲がり癖がつかない感じ。これもスタッキングを容易にしている理由のひとつだと思います。
風防の効果
それほどハードな状況で使用したことはないのですが、キャンプしている時に偶然、(もともと想定していた)アルコールストーブスタンド使用時の風防の効果を視覚的にとらえることができたので、参考までに画像を貼っておきます。
まず、Tiフーボーなし。アルコールストーブスタンドは標準形態。
そよ風だったと思いますが、炎が流れているのが分かります。アルコールストーブスタンドも風下側(右側)だけが赤くなっていますね。
この状態で、Tiフーボーを配置してみました。
どうでしょうか。炎があまり流れなくなってるし、アルコールストーブスタンドも全体的に赤くなっていて、まんべんなく熱量をクッカーに伝えているように見えます。
例えば沸騰までの時間を測ったりはしていないので、あくまでも視覚的に効果が出てそうだな、というふんわりとした感想しかないのですが、でもまぁ、見た目でこれだけ違いが出ているので、効果がゼロってことはないんじゃないかと思います。
まとめ
という感じで、組み立て方を理解すれば、ヒジョーに使い勝手の良い風防じゃないかと思います。
スタッキングの邪魔もしないので、火力の弱いアルコールストーブを使うときは、必ずクッカーに潜ませて持って行っている気がします。
最初のうちは正しい組み立て方をしても、なんかすぐ外れたり、うまくハマらなかったりして、あんまり良い印象はなかったんですけど、使い続けるうちにこちらが完全に慣れてきた感じ。
お気に入りの製品って、最初からお気に入りというパターンが多いのですが、途中から愛着が湧くというのは珍しくて、そういう意味では今後も「愛着具合」を観察していきたい製品です。
(追記)
安定する使い方を見つけたら、もっと愛着が湧いているよ、という話。