可愛さにおいては群を抜いている「弁当箱」ことOPTIMUS 8Rガソリンストーブ。
この抜群に可愛いOPTIMUS 8R(大事なことなので表現を変えて二回書きました)を、下記のとおり2つ持っていて、
「保管用」とか「観賞用」とか「布教用」のような区別もなく、2つとも愛でているのですが、左側のOPTIMUS 8R(正確にはPRIMUS 8R)は、
というイマイチポイントがあるんでした。
具体的には、スピンドルを締めても、こんな感じで火が灯り続けます。
さらに強く締めつけると消えるんですが、いつか壊してしまいそうで精神衛生上よろしくないし、もしかしたら気化したガソリン燃料が少しずつ漏れ出ているかもしれない。
今回はこの不具合に対応していきます。
ニードル調整法
と言っても、国内の正規代理店であるスター商事の下記ページのとおりなのですが。
ちょっとだけ丁寧に解説していきます。
スピンドルの回転角度を確認しておく
分解して、燃料タンクから燃料を抜きます。
で、あらかじめ、スピンドルの回転角度を確認。
これがスピンドルを右に目いっぱい回して、締めた状態。消火するときのポジションですね。
デジャヴに見えるかもしれませんが、下の画像がスピンドルを左に目いっぱい回した状態。OPTIMUS 8RやSVEA 123Rは、スピンドルを左に回すと開放し、気化した燃料がたくさん出るようになるのですが、左に回し切るとクリーニングニードルがニップルから突き出して、消火します。
ニップルの先にちょんと飛び出ているのがクリーニングニードルです。
さて、ここで何を確認したかったかというと、スピンドルを右に目いっぱい回したときと、左に目いっぱい回したときの、調整キーの回転角度です。
上の画像を見比べると、約180度弱、回転していることが分かります。
現状は、180度回転させても消火できないということなので、ニードルの調整後はもう少し小さい角度の回転になるはずです。
クリーニングニードルを外す
念のため、位置を合わせるために、スピンドルを右いっぱいに回しておきます。内部的にはクリーニングニードルが一番下がった状態です。
次に調整キーの一番小さい「俵型の穴」をニップルにはめて、調整キーを左に回転させてニップルを外します。一般的なネジを緩めるのと同じ要領です。
初めて真価を発揮する調整キー。そうだ、お前はスピンドルを回すだけじゃない。ニップルだって緩められるんだ。
ニップルを取り外すと、クリーニングニードルが見えます。最初にニップルを右いっぱいに回してあるので、クリーニングニードルが下がり切った位置なのですが、このポジションが少し浮いているため、燃料が漏れ出ています。
つまり、今からこのポジションを調整するということです。
この状態で、スピンドルを左に回していくと、クリーニングニードルが上に浮き上がってきます。
クリーニングニードルがカチャカチャ揺れて、(内部的に)スピンドルとの噛み合わせが外れたら、そっとこれを取り出します。
このとき、スピンドルが噛み合っているクリーニングニードルのギアの方向を覚えておきます。上の画像のとおり、燃料タンク側にギアが向いてます。
クリーニングニードルを調整する
クリーニングニードルを外した状態で、スピンドルを右いっぱいに回します。
次に、クリーニングニードルを元の場所に戻します。このとき、上で確認したように、元の向きと同じ(燃料タンク側に向ける)ようにして置きます。
調整キーでスピンドルをゆっくり左に回します。そうすると、クリーニングニードルが上昇しながら傾いて、カチンと音を立てて落ちます。そのままスピンドルをゆっくり左に回して、「ニードル調整法」によれば合計3〜4回落とすとのこと。
今回は「スピンドルを右に回し切ってもニードルが下がり切らず、消火できない」という問題に対応したいので、調整後は「スピンドルを右に回せばニードルが下がり切る」という状態にするのがゴール。
ということは、ニードルを落とす回数を増やせば、右に回したときにスピンドルが落ちる距離が長くなるということなので(たぶん)、「3〜4回」の大きい方の「4回」を採用し、4回落とすことにしました。
その後、スピンドルを右いっぱいに回して、クリーニングニードルを一番下まで下げます。
右いっぱいに回したとき、ニードルの肩が、穴の内側の狭まった部分の高さと同じくらいになっていることを確認します。
どうでしょうか、調整前のポジションより、少し下がっているように見えます。
ニップルを締めて、調整キーで増し締めします。
燃焼テストをする
正しく調整できたのか、まずは燃焼テストを実施。
チューリップを取り付けて、予熱後、着火。無事、燃焼。
いつもどおりの小気味よい、絶好調な燃焼音。少なくとも元には戻せました。
しかし、今回の問題は、消火。スピンドルを右に締めて消火できるか?
果たして…
完璧に消火!!
ちなみに、最初に確認したスピンドルの回転角度ですが、相変わらず180度弱という感覚。ほんのちょっとの差でニードルが下がり切らなかったのか(そりゃそうだという気もする)。
まとめ
OPTIMUS 8Rの「スピンドルを右いっぱいに回しても消化できない」という不具合の対応方法を、ちょっと詳細に記載してみました。
OPTIMUS 8Rのほか、燃焼機構がほぼ同じのスベア123Rでも同じ方法で調整できます。
この手のレトロストーブは、メンテナンスすればするほど不調になっていくという話も聞きますが、今回はうまくいきました。
調整キーを、スピンドルを回すだけでなくメンテナンスのために使用した、という経験も満足度を押し上げてくれます。
素人が「ちょっと自分でなおしてみようかな」と思えるくらいには構造が簡単なレトロストーブ。またひとつその魅力を垣間見れました。
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