今シーズン導入したスプリットボードことGENTEMSTICKのTHE CHASER HIGH PERFORMANCE CHOPSTICKS。
残念なことに暖冬だった22-23シーズン。今となっては新雪を滑った記憶がほとんどありません。従ってCHOPSTICKSに乗る機会もぜんぜんなかったわけですが、去る1月の末日に、まずはライドモードのみで初搭乗してきたんでした。
ライドモード
THE CHASER HIGH PERFORMANCE CHOPSTICKSはスプリットボードなので、
- ライドモード(スノーボードモード)
- ツアーモード(スキーモード)
が切り替えられるんですが、今回はとりあえず、ライドモード…すなわちスノーボードとしてのみ乗ってきましたよ、ということですね。
装着したバインディングはKarakoram BindingsのLAYBACK。
クイバーはCONNECT SPRIT KITのものをセットアップし、そこにLAYBACKを装着。できるだけ実際のバックカントリーに近づけるために、(ライドモードでは使わないんだけど)ツアーモードのインターフェイスもセットしました。
ただし、LAYBACKの爪先部分への「ツアーアダプター」は装着しませんでした。ノーマルのLAYBACKで一度THE CHASER HIGH PERFORMANCE CHOPSTICKSに乗ってみたかったし、フツーに面倒だったのもあります。
シェイクダウン
ライドモードでの初試走。
一里野温泉スキー場の未圧雪バーンを中心に、午前中いっぱい乗り回してみました。
インプレッション
重さ
スプリットボードということで、センターの割れるところにもエッジが入っているし、インターフェイスもコテコテと付いていて、まぁ、当然重い。
この膝下の重さがどうなるかというのが、乗る前の最大の不安だったのですが、結果的には杞憂に終わりました。足に装着してしまえば、重さはあまり関係なくなり、フツーにコントローラブル。
浮力の感じ方
浮力の感じ方はMANTARAYよりは、ROCKET FISHに近い気がします。
MANTARAYはそのビッグスクエアノーズにより、物理的にも視覚的にもノーズの先端から100%の浮力を感じるんですけど、ROCKET FISHはその尖ったノーズ形状により、ノーズ先端は雪をかき分けて浮力は少なめ、ノーズの肩から浮力を感じる気がします。
つまり、
- MANTARAYはノーズの先端からいきなりトルクフルな浮力
- ROCKET FISHはノーズの肩から前足の下あたりにかけてグラデーションのある浮力
と言い換えられるのですが(個人の感想です)、THE CHASER HIGH PERFORMANCEは、このROCKET FISHのようなグラデーションのある浮力と感じました。
とは言え、ノーズ形状がROCKET FISHに近いので、当然と言えば当然かもしれません。
スプリットボードとしての乗り味
スプリットボードっていうのは、真ん中で割れているわけで、この辺、乗り味とか、あるいは板の剛性ってどうなのよ? というところも気になる点でしたが、さすがは十分にこなれたGENTEMSTICKのCHOPSTICKSシリーズとKarakoram Bindigsの組み合わせ。
新雪に入ると、真ん中の板の間から粉雪が噴き出す程度には隙間があいているんだけど(ある程度、隙間がないと逆に干渉して良くないんだと思います)、ぐらつくことはまったくなく、テーパードなシェイプと幅広なノーズは、もちろん十分な浮力を生み出します。
ピンテール(ダイヤモンドテール?)は抜けもよく、それでいてROCKET FISHのダブルピンテール(フィッシュテール? スワローテール?)よりは粘る感じもあり、155.1cmという程よい長さも相まって、パウダー用の最初の1本としてもオススメできる操作性の良さ。
圧雪バーンでのカーヴィングは、ソリッドボードではないこともあり、そんなに頑張って乗ってないのですが、むしろ頑張らずともカーヴィングできてしまう、ぼくに優しいサイドカーブ。
わりと個性的なシェイプながら、ほかのGENTEMSTICKの板に比べれば意外なほどクセが少なく、乗りやすい板という印象です。
予想外の発見
「T.T 158よりも浮力があり、MANTARAYよりもカーヴィングしやすそう」という理由でTHE CHASER HIGH PERFORMANCEを選んだところもあり、つまり浮力のベンチマークとしてMANTARAYを設定していただけに、「浮力の感じ方はMANTARAYよりROCKET FISHに近い」というのは予想外の発見でした。
昨シーズンの試乗の際には、CHOPSTICKSだけでなく、ソリッドボードのTHE CHASER HIGH PERFORMANCEもそのうち導入しちゃってイイんじゃないか?と鼻腔を膨らませていたのですが、MANTARAYほどの凄まじい浮力は感じず、ちょっとトーンダウン。
このあたりの心境の変化が、来シーズンのT.T 160の予約に繋がる要因のひとつになった気もします。
まとめ
THE CHASER HIGH PERFORMANCE CHOPSTICKS。
思っていたよりも素性の良い板であり、もっと新雪で乗りたいという気持ちがこの記事を書いていてもふつふつと湧いてきます。
スプリットボードということで、どうしてもゲレンデには持っていきづらいのですが、スキー場によっては普通にゲレンデでスプリットボードに乗っている先輩たちもけっこういる様子。自分ももうちょっとスキー場に持ち出せば良かったなと後悔しています。
ただ、スプリットボードの本懐とはバックカントリーであるはずであり、そのバックカントリーにほとんど行けてないことを自分はもっと反省すべきかもしれません。次回はバックカントリーでのインプレッションをお届けしたいと思います。
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