Karakoram Bindings “LAYBACK” シェイクダウン

アクティビティ
当サイトには広告・アフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

ステップイン(YONEX accubrade)のバインディングとブーツを愛用していたのですが、一昨シーズン、昨シーズンと、2シーズン連続でブーツが壊れ、新しいブーツを買おうにも、YONEXはしばらくステップインのブーツやバインをリリースしておらず、進退窮まって、昨シーズン、ついにBurtonのStep Onに入門。

Step Onはヒジョーに良い体験で、今後も履いていくのですが、今シーズンはスプリットボードにも入門してしまいました。つまり、スプリットボードに使えるバインディング(とブーツ)が必要になったわけです。昨シーズンのうちにスプリットボードに入門していれば、Step Onではなく最初からスプリットにも使えるバインディングにしていたと思いますが…。まぁ、Step Onとスプリットボード用のバイン、2つあっても問題はないでしょう。財布のダメージ以外は。

ということで、2022-2023シーズンは、昨シーズンに続いて、バインディングとブーツをアップデート。今回は12シーズンぶりにストラップ式のバインディングを導入。十分に悩んだ挙句、Karakoram Bindingsにしました。モデルはLAYBACK

「BurtonのStep Onが取り付けられるスプリットボードのインターフェイス」は探せばあるんだろうけど、どうせならイマドキのスプリットボードのシステムを組んでみたい。スプリットボード本位のバインディングを選んだところ、Karakoram Bindingsになったというワケです。

Karakoram Bindings PRIME System

Karakoram Bindingsは、クイバーというプレートを板に取り付けることにより、バインディング自体の脱着を簡単にしています。もともとスプリットボードのために考案されたシステムなんですが(スプリットボードはモードを変えるときに必ずバインディングの脱着が必要だからね)、現在においてはソリッドボードでも十分なパフォーマンスを発揮できるとのこと。

全てのマウンテンプライムシリーズはスプリットボードにも対応しています。

Karakoram Bindings 公式 | 世界最高峰のターンを与えてくれるスプリットボードバインディング

もちろん、スプリットボードにも使えるし、雪質によって現地で履く板を替えたいスノーボーダーにもウケているようです。

PRIME Systemの仕組み

通常、バインディングはスノーボードにビス留めし、一度つけたらだいたいは帰宅までつけっぱなしです。

しかし、スプリットボードは、ツアーモード(スキーモード)でハイクアップし、ライドモード(スノーボードモード)で滑り降りるという、2つの形態を持つため、このモード切り替え時に、バインディングの脱着が発生します。つまり、スプリットボード用のバインディングやそのシステムは、いかに簡単に、かつ確実に、バインディングを脱着できるかというところに重点を置いています。

Karakoram BindingsのPRIME Systemがどのようにバインディングの脱着を簡単にしているかというと、その秘密はこのヒールカップ下のレバーと、それに連動する裏側のピンにあります。

一見、なんの変哲もないバインディングの背面

左の画像が横からみた図。通常、レバーは上に上がっています。この時、右の画像のように、バインディングの裏側(ボードとの接地面)のピンは収納されています。

バインディング背面のレバーを引き下げると、裏側のピンが出てきます。

このピンが、ボードに装着されたクイバーの隙間に差し込まれて、バインディングをスノーボードの板に固定するという仕組みです。

クイバーは一般的なバインディングのベースプレートと同様に4本のビスで板に装着します。

PRIME Systemは、要はレバーを押し下げるとバインディングが外れるし、バインディングをセットしてレバーを押し上げるとバインディングが固定されるという脱着システムを持つということですね。

カンタン。

ハイバックの調整

ハイバックには3種類のモードがあって、ハイバックについているパーツの向きを変えることにより切り替えられます。

通常モード

どれを通常モードと言うか分からないのですが、とりあえず、自分はこのモードを使ってます。

ハイバックの後ろのパーツ(デュアルライド・ストライド)の狭い方を下にすると、ヒールカップとの接地面積が狭くなるため、ハイバックが左右に動きやすくなります。また、ヒールカップからパーツの固定部分までの距離が短いため、ハイバックが起き気味になります。

結果的にハイバックがよりルーズになり、足首を柔らかく使いたいときに向いた設定になります。

もともとLAYBACKは柔らかめのレスポンスで、サーフライド感覚の乗り味が売りのバインディングなので、よりその特性に振った設定だと思っています。

カタログによると、0度から15度、前傾になるようです。

ハイレスポンスモード

ハイバックの後ろのパーツを通常モードとは反対側にくるんと回すと、ハイレスポンスモードになります。ヒールカップとの接地面積が広く、ハイバックも倒れ気味になります。

圧雪バーンでカーヴィングをするときは、この設定の方が良いかもしれません。まだあまり試してないです。

カタログによると、10度〜22度、前傾になるようです。

ツアーモード

スプリットボードのツアーモードで使用する場合は、デュアルライド・ストライドを横向きにします。

カタログによると、8度後傾(-8度)になるようです。

これにより、ツアーモードで足を前にストライドしやすくなります。

本来、LAYBACKはソリッドボード向けのバインディングなので、このモードを使うことはないのですが、コネクトスプリットキットを使うと簡単にスプリットボード向けのバインディングにできるため、最初からこのモードが用意されているのかもしれません。…まぁ、あえてこのモードを無くす方が難しいと思いますが。

板への装着

ということで、LAYBACKをまずはソリッドボードに装着してみました。選んだ相方は最初に買ったGENTEMSTICKのボード、MANTARAY

まずは、板にクイバーを装着します。一般的な4本ビス留め。

ただし、ビスは一般的ではなくて、六角レンチで締めるタイプのビスになっています。

Karakoramのバインディングは、バックカントリーを念頭にデザインされているため、重たいドライバーではなく、軽量で携行しやすい六角レンチで締められるようにしているようです。

次に、バインディングのヒールカップ下のレバーを下げて、

クイバーのツメのところに、

バインディングのつま先側の棒のパーツを引っ掛けます。

踵側もフィッティングして、レバーを起こします。

これで装着完了。

まだ新しいので、多少動きが渋いところもあるのですが、雪山でもそれほど苦労なくバインディングを脱着できそうな気がします。

シェイクダウン

ということで、Karakoramのバインディングにまず慣れたいということで、普通のソリッドボードにLAYBACKを装着。シェイクダウンしてきました。

試した板はMANTARAYとT.T 158ROCKET FISH

インプレッション

久しぶりのストラップ方式のバインディングということで、装着時に若干面倒臭さは感じました。でも、これはステップイン方式からストラップ方式に乗り換えると、必ず感じると思います。

あと、板を手に持っているときはさすがにちょっと重い印象です。LAYBACKはかなり軽量に作られているとは思うのですが、クイバーのツメの部分や、脱着システムであるPRIME Systemが、一般的なバインディングと比べるとどうしても重くなってしまいます。この重さが耐えられないなら、やはり一般的なバインディングを選ぶしかなさそう。

乗り味なんですが、ここはぜひ下手の横好き横乗りの戯言として聞いて欲しいのですが、

まったく戸惑いなく、普通に乗れました。

感激するような感想は持たなかったけど、いや、フツーに考えて、最初からフツーに乗れるってフツーじゃなくないですか?

ハイバックの設定が柔らかめということもあり、膝下のフットワークは軽快で、固めればカーヴィングも心地よく決まる感じです。若干、バインディングの重さが影響しているのか、切り返し時にもったりとしたムーブになることがあるような気もするのですが、レスポンスが悪いという感じでもない。膝は内側に入れやすく、アンクルストラップ、トゥストラップの締め付けも良好。自分好みのソフトなフレックス。

このバインでバックカントリーに入れるのなら、まず文句は出ないデキだと思います。

予想外に良かった点

LAYBACKにはクイバーが最初から2セットついてくるので、板2枚を持って行って、現地でバインを乗せ替え、板を履き替えるということができるのですが、脱着があまりにもカンタンなので、思っていた以上に積極的に板を複数枚持っていこうという気になりました。

とくにROCKET FISH。新雪なら浮力の大きいMANTARAY、ピステンバーンなら抵抗の小さいT.T 158を選びがちで、なかなかピンポイントで持っていくことがなかったROCKET FISHなのですが、クイバーさえつけておけばいつでも履けるという安楽さがROCKET FISHを持っていこうという気分にさせてくれます。

ロケット搭乗の機会が増えそうで、この効果は本当に予想外でした。

イマイチな点

トゥストラップのビス

何だかんだ言いながら、LAYBACKに乗り始めて5滑走日目の一発目。トゥストラップを締めようとしたら、根本が抜けました。ビスがない。

結局、ビスはスノーボードケースの中から発見されたのですが、つまりは4滑走日のうちにビスが緩んで取れてしまったということになります。これが、単に締めが甘かっただけなら良いのだけど、もし振動などで外れやすい設計だとしたら、ちょっと困りポイントになりそう。今後も注視していきたい。

重さ

PRIME Systemゆえの最大の(おそらくは解決できない)欠点である「重さ」。「カンタンに脱着できる」というメリットとトレードオフなので、ここは文句を言っても仕方のないところ。

でも、その重さを視覚化しておくと、気持ちが楽になるかもしれない、ということで実測してみました。

LAYBACKの左(Sサイズ)とクイバー(ビスつき)で、1,039.0グラム。

バインディング単体では835.5グラムだったので、公式の値の

重量:795g(バインディング1つ辺りの重量)

LAYBACK | Karakoram Bindings 公式

795グラムよりはちょっと重くなりました。また、公式の値はクイバーを除いた重量ということですね。

比較対象は、使用しているもうひとつのバインディング、BurtonのStep On(Sサイズ)とします。811.9グラム。

その差、227.1グラム。両足で500グラム弱、ペットボトル1本分もないくらい。

ここまで測定すると、ブーツの重さも考慮したくなってきます。

LAYBACKと組み合わせて履いているのはBurtonフォトンBOA(ワイド)(サイズはメンズの7)。左足で921.9グラム。

Step OnのブーツもフォトンStep On(ワイド)(サイズはメンズの7)の21-22モデル。左足で971.2グラム。

Step OnよりLAYBACKと組み合わせてる普通のブーツの方が49.3グラム軽い。(これだけしか違わないのは、Step Onシステムの優秀さを物語っていると思います。)

ということで、バインは227.1グラム重いけど、ブーツは49.3グラム軽いので、Step Onシステムと比較した場合、片足で177.8グラム、両足で355.6グラム重い計算になります。

バネ下重量(膝下重量ですけど)が、小さいペットボトルひとつ分くらい重い。これをどう捉えるか。

脱着の容易さを考えれば、めちゃくちゃ良くできたシステムなんじゃないでしょうか。

まとめ

今シーズン導入した、Karakoram BindingsのLAYBACKをシェイクダウンし、インプレッションを紹介しました。

まとめると:

  • ストラップ方式のバイディングとしては必要十分な性能(な気がする)、LAYBACKの柔らかめのレスポンスは自分好み
  • PRIME Sytemは優秀、脱着が超カンタンで、板を複数持っていこうという気にさせる
  • 重さが気になっていたが、実測してみると小さなペットボトル1本分くらいの違いしかない

バインディングを楽に、頻繁に付け替えたいというのであれば、その欲求には十分に応えられるし、あるいは唯一無二のバインディングの可能性もあります。脱着の容易さのプライオリティが高いスノーボーダーであれば、仮にバックカントリーをしなくてもオススメできるバインディングだと思います。

一方で、そのような欲求がないのであれば、まったく選ぶ必要がないバインディングとも言えます。PRIME Systemは脱着してこそ意味があるので。

バックカントリースノーボーダーにオススメできるか? これは現時点で、自分がまだ裏山に持ち出していないので答えられませんが、今シーズン中にはバックカントリーでも使ってみたいと思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました