21-22シーズンのスノーボード後半、いつの間にか頭の中を占拠し、虜にしているプランがありました。
ゴールデンウィーク、3泊4日の立山バックカントリー。
過去にも何度か立山BCには来ていて、ソロでも2泊3日までなら経験あり。でも、3泊4日はない。バックカントリーに限らず、丸3日間ずっとアウトドアにいたことがない。
であれば、3泊4日の雪上テント泊。これをやってみたい。
ということで1、2ヶ月前からボンヤリと計画を立て、2週間前から天気予報を睨み、5月2日から5月5日までの4日間、残雪の立山に籠ってきました。
立山駅
コロナ前は中国人で大賑わいだったゴールデンウィークの立山。コロナで中国からの観光客が来れなくなり、意外と空いているのでは?というヒジョーに甘い期待は崩れ去りました。9時半ごろに到着したと思うのですが、立山駅から近い順に駐車場は満車。称名川を挟んだ反対側の臨時駐車場に停めることになりました。
立山駅のチケット売り場は長蛇の列。快晴です。
1時間は並んだ気がします。
チケット売り場の中のモニターに室堂の様子が表示されてました。天気は良さそうで、気温は0.4度。悪くないコンディションです。
11時前にようやく買えたチケットは13時発の便。2時間以上、駅前の芝生に座って過ごします。
ここで、13時20分までで日帰りの室堂往復のチケットは発売中止になるとのアナウンス。天候急変の予報らしい。マジか…。
出発間近の駅構内のモニターに映る室堂の様子。
気温0.4度は変わらずですが、真っ白で視界が悪い。ちょっと心配になる。
ケーブルカー
立山駅から美女平駅まではケーブルカーに乗るわけですが…
密です。
久しぶりに人間を間近で見ましたね。生命の息吹を感じました。
高原バス
美女平から室堂までは高原バスに乗ります。
バスは補助席を出さなくても済む程度に、乗車人数を制限しているようでした。
次第に窓の外が白くなっていきます。
単にガスが出ているだけではなく、窓からバチバチと雪がぶつかる音が聞こえます。これは…吹雪いてますね…紛れもなく吹雪ですね…。
雷鳥沢キャンプ場へ
室堂駅でスノーボードのカバーをコインロッカーに預け、外に出ると、フツーに雪が降っていて、視界も悪い。
ベースキャンプ地である雷鳥沢キャンプ場までのルートは、「室堂山荘経由」と「みくりが池温泉経由」があるのですが、バックカントリーの場合、滑って降りられる室堂山荘経由で雷鳥沢キャンプ場まで降りていくことが多いと思います。
自分の経験でも、ほとんどが室堂山荘経由で降りているのと、「初日を滑走日に数えたい」という邪な気持ちもあり、室堂山荘に向かいました。
が、完全にホワイトアウト。
仮にここが滑り慣れたスキー場でも躊躇うくらいの視界の悪さで、引き返そうか、とりあえず室堂山荘までは行ってみようかと一歩ごとに悩みました。
なんとか室堂山荘に到着したところで、先行していたスノーボーダーの方(お二人だったと思います)に「室堂山荘経由は先が見えなくて危ない。ロープが張ってあるみくりが池温泉経由の方が良い。」と教えてもらいました。ありがとうございます。
なるほど、みくりが池温泉経由だと、アップダウンはあるけど、登山道が識別できるようにロープが張ってあるのか。そういえば、室堂山荘経由だと、雪上車の跡はあるけど、あんまりロープが張ってあった記憶はないよな…などと思いつつ、いったん室堂駅付近まで引き返し、みくりが池の方向に向かいます。
みくりが池温泉経由でも相変わらず横殴りの雪が叩きつけ、視界も悪く、さらにはアップダウンもあるので、室堂駅に引き返して構内で一晩明かそうか、雷鳥沢は少なくとも風が収まってることを期待して前進しようかと一歩ごとに悩みました。
ただ、こちらのルートは「みくりが池温泉」「雷鳥荘」「雷鳥沢ヒュッテ」と建物イベントが発生するので、気が紛れるというか、目標が定めやすく、精神的には室堂山荘に向かっているときよりも楽でした。
雷鳥沢ヒュッテが見えて来たところで、ようやく一安心。
スプリットボードではないバックカントリーの場合、ハイクアップ用のバックパックに板をくくりつけて行動します。このため、テント泊を伴う場合は、テント泊装備のほかに行動用のバックパックと板をテント場まで持っていく必要があります。
今回は、バックカントリーのハイクアップ用バックパック(上の画像の黄色いやつ)をテント泊装備のバックパックの上蓋にはさみ、板は裸で手に持ってテント場に向かいました。写ってませんが、反対の手にはストック1セットとカメラを持ち、足元はスノーシューを履いています。
バックパックは乾燥重量(ビールや水などの飲料を含まない重さ)で17.9kg。手にはスノーボード。肩が千切れそう。
雷鳥沢キャンプ場のテントが、まだ遥か下ですが見えてきました。
乾いた新雪が10cmくらいは積もっていて、雪質も良いので、視界が悪くなければ滑り降りたいところ。ただ、地形もよく把握していないし、ソロの初日目ということもあり、泣く泣く一歩ずつ降りて行き、ひーひー言いながら雷鳥沢キャンプ場に到着。
雷鳥沢キャンプ場は風こそ少しは収まっていましたが、時折り雪が降り、ガスも出ていて、なかなかに厳しいコンディションでした。
疲れ果てていたので、テキトーなサイトを見つけて、テキトーにテントを張りました。
野営場管理所で3泊分の料金を払いながら、当初の目的である「3泊4日」じゃなくて良いかも?と弱気になりつつ、ちょろっと行動食をお腹に入れて、
とっとと就寝。
の予定だったのですが、風でテントは揺れるし、フライシートを雪が叩いて音は立てるし、まあまあ不安。すぐ近くで雷が鳴る白山の南竜ヶ馬場野営場のテント泊のときくらい不安。
それでも、テントが倒れるほどの風は吹かないこと、シュラフがそれなりに暖かく安全に感じられることが分かり、安心(と疲労)が不安を強制的に押しのけていき、いつの間にか寝てました。
2022年5月2日の行動ログ
上記のとおり、一度、室堂山荘に向かい、引き返してみくりが池方面から雷鳥沢キャンプ場に降りていることが分かります。
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