線状降水帯に巻き込まれた話

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まずは被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

被災

その日、雨がひどくて在宅勤務で引きこもり。夜の11時を回ったころにベルが鳴り、こんな時間に何なのと玄関に出てみると隣の方が「外がヤバい」と。

まったく脇が甘いというか、隙が多いというか、それまでぜんぜん気づいてなかったのですが、外は洪水になってました。

外に出てみると、少し先の道では太ももまで水が上がってきていて、おそらくはフロア内まで浸水してそうなクルマがちらほら。自分のクルマはギリギリセーフっぽかったのですが、タイヤの真ん中くらいまで水が来ていて(ふくらはぎまで水に浸かってた)、これ以上、水が上がるとヤバそう。

隣の方がクルマを少し高い位置に移動したので、見習って自分のクルマもその後ろにつけて、おかげで浸水しなくて済みました。結果的にはクルマを動かしたときが水位のピークだったようです。

日が変わるころ、少し雨が止むタイミングがあり、水の侵入が止まったんだと思いますが、急に水が引いてきました。排水されてなかったわけではなく、排水が追いついてなかっただけのようです。

この時間帯はスマホで雨雲レーダーを何度も確認し、なかなかの正確さで雨が止んだ記憶です。この後、少しの間は雨雲が頭上を通過しない予報でした。とりあえず何とかなりそう、と少し安心はしまいしたが、とにかく雨雲レーダーを睨んで雨が止むのを祈ることしかできませんでした。

少し離れたところガレージにもう一台クルマがあって、水没してたとしても何もできないんですが、状況が気になります。

まだ深いところでは膝下まで水があったので、徒歩でガレージまで向かったのですが、

  • 水が引いているところはアスファルトも出ていて歩けるが、水に浸かっているところは地面がまったく見えない。
  • 泥水の中をざぶりざぶりと歩いていると、知らないおじさんに「マンホールが開いているかもしれないから、行くのなら杖をついて足元を確認しながら行きなさい」と教えられた。たしかに。この道はUターン。
  • 帰宅中にほかのルートならと向かった先は、丁字路。水が複数の道から流れ込んでいて、足が取られそうになる。やっぱりUターン。

けっきょく、どのルートも道路が寸断されていて、戻ってきました。孤立一歩手前。

3時半ごろまで待つと、クルマが出せそうなくらいには水が引いたので、クルマで再度ガレージに向かいました。幸いにもガレージ内への浸水は(雨漏り以外は)なし。最大の懸念がなくなり、ようやく寝れそう。

ちなみに、センターライン寄りにタクシーが放置されてたり(少しでも水位が低いところを走行してたんでしょう)、土砂崩れによる倒木が道路を塞いでいたりして、想像以上の惨状にショックを受けました。

後日

翌日。

外はドブの臭い。洪水が運んできた泥は細かく、スニーカーでは滑りそう。クルマのタイヤも滑るでしょう。

朝から、近所で断続的にクルマのイモビライザーが鳴り、浸水して故障してしまったであろうクルマが何台もありそうだということが分かります。日中はレッカー移動されていくクルマや、クルマ屋さんにボンネットを開けられているクルマを何台も見ました。

以降、何日にも渡って、スコップで泥をかく音、チェーンソーで倒木を切り分けている音、家財道具を外に出している様子、ボランティア募集や避難場所の開設の案内、知り合いの被災を見聞きしました。

これが災害に遭う、被災するということか、と思いました。

やはりショックだったのか、しばらく睡眠不足が続きました。うまく入眠できなかったり、明け方に目が覚めてしまったり。

現在では状況はだいぶ落ち着いたのですが、それでも幹線道路が通行止めになってたり、土砂崩れが完全に修復しておらず道路の幅員を狭めていたり、あるいはジョギングコースにしている道が閉鎖されていたりと、爪痕が残っています。

教訓

無闇に動かない

今回は、まだ水が引いていない状態で、しかも深夜に見回りに出てしまいましたが、冷静に考えると(当たり前ですが)危険すぎる。

上にも書きましたが、マンホールが開いているかもしれないし、流れに足が取られるかもしれない。泥水の中の何かを踏んだり、何かが流れてきて足にぶつかったりするかもしれない。

見回りからの帰宅時、「台風の中、田んぼを見に行って事故に遭う理由が分かるわ」って後悔しました。

ハザードマップはそこまで正確ではないけど確認はしておいた方が良い

家にいる間は天気予報の雨雲レーダーとハザードマップを睨んでました。

ハザードマップでは、

  • 自分が住んでいる場所は問題なさそうだったけど、実際はそれなりに水位が高くなった
  • ガレージがある場所は少し低い場所だったけど、実際には水が来なかった

という結果だったので、そこまで正確性を求めるものではないかもしれないです。

が、今回、洪水の最中に見回りに出たことにより、ほんの少し、地形の30cmとか50cmくらいの高さの違いと、あとは川や用水路の流れの関係が明暗を分けたという認識を持ちました。

で、この30cmとか50cmの高さの違いって、普段まったく気づかないんですよ。なので、ハザードマップ。これを見ろ、と。多少は役に立つかもしれんから、と。

災害時の連絡方法を決めておく

これはよく言われていることだと思いますが、災害時の連絡方法や、万が一の場合の集合場所などを家族と決めておくと良いと思います。

ワタクシは独身なので、とくに連絡する相手はいないのですが、もしかしたらもしかするかもしれんと思い、一応、両親にはLINEで状況を伝えました。

アウトドアの装備や知識が役に立つかもしれない

泥水の中をビーサンで歩きながら、ちゃんとしたスポーツサンダルの方がイイなぁと思いました。もしサンダルを流してしまうと、何が流れてるかわからない場所を素足で進む羽目になります。危険。

いやいや、本当に危ない時はサンダルじゃなくて、ちゃんとしたシューズでしょう?というのはその通りですが、実際は何度も外に出ることになり、その度にシューズをずぶ濡れにするのは現実的ではないと感じました。あと、水位がどこまで上がるか分からず、長靴も難しい。実際、太ももまで水が来ていたので、長靴は意味がなかったと思います。

ということで、泥水の中を歩き回るならスポーツサンダルだろうし、知らないおじさんに「杖をついて行け」と言われたときも「杖はないけど、登山のときのストック(ポール)で代用できるなぁ」って思ったし、今回は停電にはならずに済んだけど、もし停電になっても米くらいは炊ける装備が揃ってるし、これもよく言われていることだと思いますが、アウトドアの装備や知識は災害時に役に立つと思いました。

まとめ

まさか自分が災害に遭うとは思ってもいなかったので、「これが正常性バイアスか…」などと思ったりしました。

今回は様々な幸運が重なり、自分は大きな被害に遭わなかったのですが、周りの方々の被害状況を見聞きするにつれ、胸を痛めることが多かったです。軽くPTSDの症状が出ていたかもしれません。

いちばんショックを受けたのは、外が洪水になっていても、教えられるまでまったく気づいてなかったということです。そのまま気づかずに翌朝を迎えていたかもしれません。これはあまりにも危機管理がなってないというか、生物としての生存本能が欠けているという気がします。もう少し注意深く生きたい。

土砂崩れのあとなど、自分の生活にもまだ影響が出ている部分もあり、被害に遭われた方々におかれましても速やかに問題が収束しますよう祈るばかりです。

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