2022年5月4日。ゴールデンウィークの立山に篭って3日目。
2日目の夜はテントの中がやけに狭く感じました。テントに押しつぶされそうな感覚に襲われ、呼吸が苦しくなる。閉所恐怖症なんでしょうか…。
雷鳥沢キャンプ場
今日も良い天気なのですが、昨日に比べて少し雲が出るのかなと予想。
8時前、なんとなく下界では見ないような雲の形。(レンズ雲っていうヤツでしょうか。下界でも見るっぽい…)
朝ご飯を食べたり、行動用のドリンクを作ったりしながら、のんびりと過ごします。
ちなみに、当ブログでは
という記事がまあまあ人気なのですが、今回のバックカントリーで最強の登山・バックカントリー用ドリンクの作り方を編み出してしまいました。
このブルーの液体が最強の登山・バックカントリー用ドリンク。いずれ記事にしたいと思います。
さて、昨日テキトーに考えたプランは一晩経っても悪くないアイデアに思えます。
テント場からはよく見えないけど、おそらくは尾根筋を登っていき、トラバース気味に滑り降りて、雪崩れてる斜面はその下をスノーシューで渡り、
2本目は雪崩の斜面をやり過ごした向こう側の谷筋を探検し、テント場に戻ってくる。
両方とも入ったことがないはずの斜面なので、アドベンチャーな雰囲気もあり、面白そうな気がしてます。
1本目
9時半ごろにハイクアップ開始。ちょっとのんびりしすぎたかも。
「ザ・大自然」な景色が眼前に広がります。この三方向を巨大な岩肌で囲まれる地形、スキー場じゃ体験できない。まぁ、地形的に危ないからね…。
雪崩の跡を遠巻きに眺めながら、そしてこのあと自分が滑る地形を確認しながら、少しずつ高度を稼いでいきます。
足元はMSRのデナリアッセント。スキーヤーか、スプリットボードのトレースをたどりました。
半分くらい登ったところ。
奥のトラックなど、意外とソロで行動している跡が見られます。
一方で、パーティを組んで安全に(そして、ちょっとキャッキャうふふなテンションで)行動している人たちも多くて、なかなか興味深い。
雪の色が変わっているところはアイスバーンになっているか、シャーベットになっているか、あまり乗りたくはないので、そういう場所は覚えながら登ってました。
テント場(上の画像で、真ん中あたりに小さく見える点々)が斜面に隠れて見えなくなってからももう少し登り、11時半ごろから滑り始めました。
先が見えづらい地形で慎重に滑り降りましたが、場所によって雪質がころころ変わり、春のバックカントリーっぽさを感じるコンディションでした。
2本目
安全な場所まで滑り降りて来たので、軽く昼食。大好きなカロリーメイト。これはフルーツ味。
これまでバックカントリーでは、昼食にラーメンのような「お湯を沸かして作る系」の食事を持ってきてたのですが…それはそれでお昼に時間を取って楽しいのですが…今回は「お昼は行動食」と割り切る計画でした。あまり余裕がないだろうという判断だったのですが、一回くらいはのんびりとした昼食を摂っても良かったかな、という反省もあります。
雪崩の跡を見あげながら、
誰も踏んでいない雪原を進みます。
これまでは誰かのトレースを辿ることが多かったのですが、このルートはほとんど誰も入っておらず(つまり、スジが悪いとも言えるけど)、自分で考えたルートを自分で切り開く感覚があって、けっこう興奮しました。最近の自分には足りてなかった成分だったのかもしれません。
2本目のルートは1本目よりも狭い谷筋で、両側に大自然丸出しの岩肌が迫り、荒々しいというか…わんぱくな雰囲気。
13時半ごろ。地形としては中途半端なんだけど、雪崩の跡もあるし、実はここまで登ってくる途中で、小規模な雪崩の発生を目撃していて、この辺を潮時としました。
ちなみに、その小規模な雪崩の発生は、
- なにかパラパラとした音が聞こえる
- 音の方向に目をやるとピンポン玉が跳ねるような光景が見える(最初は雷鳥かと思いました)
- すぐに雪崩が起き始めていることを理解して、5mほど反対側に念のため避ける
- すでに雪崩の跡ができている側で発生したので、元の雪崩の跡近くまでしか流れないだろうという予測は立っている状況
- パラパラ音がザザザ音に変わり、それなりに近くなので、思った以上に大きな音になる
- けっきょく、予測した場所で雪崩は止まり、自分がいた場所は安全だったことが確認された(けど、怖い)
という感じでした。
もちろん、三種の神器(アバランチビーコン・プローブ・ショベル)は常に携帯してるのですが、ひとりで大規模な雪崩にあったら、なんの足しにもならんな…
などと考えながら、この谷筋を滑り降りました。
昨日、今日と気温が上がっていて、時間帯も13時半ごろということで、完全にストップスノー。谷筋を抜けて、斜度が緩くなったところで雪に板が取られ、まあまあ激しく転倒しました。怪我がなくて良かった…。手首を振ったら少し痛みがあったので、ちょっとビビりました。ただの疲労による痛みだったみたいです。
夕飯
雷鳥沢キャンプ場まで戻ってきて、のんびりと夕飯の支度。
泡が出る美味しい飲み物。
泡が出る美味しい飲み物2本目。
念のため、この日も固形燃料による自動炊飯を試してみましたが、
やっぱり、炊けませんでした。
仕方がないので、
ガスで追い炊き。「追い炊き」って言葉はあるんでしょうか?
カレー。美味しゅうございました。
夜空を撮る
以前、やはり立山のバックカントリーで雷鳥沢でテント泊をしていて、たまたま深夜にテントの外に出たら、信じられないような星空を見たことがあります。天の川というよりミルキーウェイと呼ぶにふさわしい光景。
以来、あの光景をなんとかカメラに収めたいとは思っていて、ミラーレス一眼を持ってきてみたりもしたんですが、いまだにうまく撮れてません。
今回もチャンスがあればと思い、22時すぎにテントから這い出してみたのですが、キレイな星空は見えるものの、天の川は見えませんでした。残念。時間帯がまずいのか?
天の川は見えないけど、星はキレイに瞬いていたので、撮影に挑戦。
これがiPhoneの限界。
今回持って来ているアクションカメラ、Insta360 ONE RSにはスターラプスというモードがあるようで、試しに撮ってみたのがこちら。
iPhoneよりはキレイに撮れてるけど、ちょっと思ってたのと違う。脳内に残っている星空の方が何倍もキレイ。
ちなみに、くっそ明るいヘッドランプをつけてウロウロしている人がいて、タイミングが悪いとこうなります。
最近のヘッドランプって本当に明るくて、こちらに光を向けられると本当に目が眩むので、できるだけ足元に向けてほしいです。(まぁ、自分のテントが見つからなくて焦ってた方だとは思いますが。テント見つかりましたか?)
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