アラフォーからのボルダリングのススメ

アラフォーからのボルダリングのススメ

エンジニアや知識労働者の身体を動かす趣味っていうのは、男子は筋トレ、女子はヨガと相場が決まっているのですが、ぼくは圧倒的な熱量を持ってボルダリングを推したい。男子にも女子にも推したい。アラフォーじゃなくても推したい。

結論として、アラフォーがボルダリングすべき理由はこんな感じ。

  • 人生100年時代、リアルな壁に登るという行為がぼくらには必要
  • 「登る」というプリミティブな運動は、ヒトの能力を見直すきっかけになる
  • メリット
    • 低コストで始められる
    • 反射神経が要らない
    • 全身の筋肉をまんべんなく使える
    • 加齢による体型の変化に抗える
    • 頭を使うかもしれない
    • 若者に教えを乞うというマインドセットが持てる
    • お尻
  • デメリットはない

まぁ、ちょっと読んでいってよ。

なぜボルダリングなのか?

待て待てと。ちょっと心の準備ができてないと。ボルダリングなんざせいぜい東京オリンピックの新種目としてスポーツクライミングが採用されたことくらいしか知らんと。

そんな無知な皆さまに「なぜボルダリングなのか?」をお伝えしたい。

リアルな壁

急に大きな話になりますが、人生という長い道を歩んでいれば、壁にぶつかることもあると思います。アラフォーにもなれば、自身のキャリアや人生という計画に巨大な壁が出現することもあるでしょう。

ボルダリングは現実の壁をよじ登るスポーツです。

人生の壁に立ち向かう心の準備を、リアルな壁でシミュレートするのです。

人生の壁を逃避したり、登れなかったりしたときの、傷ついたプライドをリアルな壁を登って癒すのです。

アラフォーにはリアルな壁が必要。

人生100年時代

LIFE SHIFT – 100年時代の人生戦略』という書籍があります。ヒジョーにカンタンに言うと「これからの時代、寿命が伸び、人生が長くなるため、これまでの人生設計では立ち行かなくなるよ」という本なのですが、「健康」という文脈の中で下記のような記述があります。

脳に好ましい影響を及ぼす方法についての研究は始まったばかりだが、納得のいくアドバイスがすでにいくつか挙げられている。まず、脳の機能低下を避けるために、体を動かすべきだとされる。理由ははっきり分かっていないが(脳に多くの酸素が届くからなのか、成長ホルモンが刺激されるからなのか)、いくつかの研究によれば大きな効果があるようだ。

LIFE SHIFT – 100年時代の人生戦略

肉体的な健康のために身体を動かすのはもちろんですが、知識労働者のもっとも大切な資産である脳の健康にも運動は良い。世界中のビジネスリーダーたちが運動を習慣化しているという話も聞くと思います。

最近、物忘れが激しい。若者の会話に頭の回転スピードでついていけなくなった。そんなアラフォーにとって、脳の健康は喫緊の課題なのです。

運動が及ぼす脳への影響については『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』という書籍もあります。

トレーニング向き

身体を動かす、ということを考えたときに、原始的な運動からより発展的な運動の順に並べると、下記のようになると思います。

  1. 走る
  2. 登る・泳ぐ・格闘する
  3. 道具を使う

1番目の「走る」が一番プリミティブな運動と言えます。二本の足を交互に反復して動かすという、すべての運動の基礎が詰まっており、ゆえにもっとも奥深い運動と言えるかもしれません。そしてもっとも退屈な運動とも言えます。世のランナー、ジョガーを悪く言っているのではなく、反復運動が退屈だと思う人間がここに一人いるということです。

3番目の「道具を使う」には、すべての球技、ウィンタースポーツ、モータースポーツ、eスポーツ、ほとんどの陸上競技が含まれています。ほとんどの趣味としての運動は3番に入るため、そのトレーニングとして1番や2番が有効と考えられます。

ぼくの場合、スノーボードが趣味であり、ちょっと前までは「60歳までスノーボードを楽しむ」という人生の目標を立てていました。それを達成するために、オフシーズンのトレーニングとしてボルダリングを始めたという経緯があります。ちなみに、ボルダリングにより以前の目標は達成できそうな気がしてきたので、現在の目標は「65歳までスノーボードを楽しむ」になっています。

また、3番目は発展的な運動のため、身体の特定の部位が鍛えられたり、あるいは特定の動作を反復することが多いような気がします。これは悪いことではないと思いますが、身体に無理が来やすいという事実もあろうかと思います。

チンパンジーの器用さにも劣るアラフォーにとって、今から道具を使う運動を覚えるのはヒジョーに困難と言わざるを得ないのですが、道具を使わない2番目の「登る・泳ぐ・格闘する」運動であれば、なんとかなるはずです。

登る・泳ぐ・格闘する

まず「泳ぐ」は、プール一杯程度の水(約36万リットル)が必要だし、泳げないと泳げないので却下ですよね。

格闘するのはもっと大変で、格闘する相手が必要。アラフォーにはもちろん友達がいないので却下です。また、相手がいたとしても、大の大人が敵意むき出しにして取っ組み合いでもしたら怪我するじゃないですか。あれはプロ同士がルールに乗っ取って紳士的にプレイしているから観戦できるんですよね。素人が手出しするものじゃない。

これで「登る」以外に選択肢がないことが分かったと思います。

真面目な話、「登る」っていう運動は「走る」に次いで原始的で基礎的な運動であるにも関わらず、これまでほとんど評価されて来なかったのではないでしょうか。「登る」って現代社会ではまず行わない運動で、「走る」以外のすべての基礎的な動作が含まれている気がします。

ボルダリングは、現代人に足りない、ヒトとしての能力を見直すきっかけになるはずです。知らんけど。

ボルダリングのメリット

分かった分かったと。いや、分かってないが君の情熱だけはなんとなく分かったと。

そんな理解力に欠ける皆さまに「ボルダリングのメリット」をお伝えしたい。

低コストで始められる

ぶっちゃけ、アラフォーにもなって趣味の「コスト」を考えるような人間はけつの穴が小さいという程度の表現では物足りないくらいの器の小ささというか、お小遣いの少なさを感じるワケですけども、こちらのボルダリング、大変お得になっております!!

イニシャルコストとしては、せいぜい「クライミングジムのビジター料金」「シューズ等のレンタル代金」程度。

結局、クライミングシューズさえあれば、あとはジムに行くだけでできるので、ゴルフやスキーのようなバブル期のおじさま方が愛でるスポーツ(寄り合い)にくらべれば圧倒的に低コストで環境に優しい。エコノミー&エコロジー。

反射神経が重要視されない

ボルダリングっていうのは壁についているカラフルな石(ホールドって言います)をつかんで、踏んで、登っていくんですが、当然ですけどこのホールドは動かない。なので、動かないモノに対して、自分のタイミングで、動作できるワケで、そこに反射神経は必要ありません。

反射神経が日々衰えていくアラフォーには嬉しい。

ただし、「コーディネーション」と言って、上級者になれば反射神経(身体の動きの協調性)が必要になってくる課題も出てきます。

あらゆる筋肉をあらゆる方向に使う

何度も言うように、ボルダリングは原始的な運動ゆえに、身体の特定の部位を使うというよりは、それこそ頭の先から爪先まで、全身の筋肉を使います。

バランスも重要であり、身体をバランスさせるインナーマッスルも使います。

これは個人の感想なんですが、ボルダリングって言うのは「強度の強いヨガ」のようなモノだと考えていて、筋力よりも柔軟性やバランスが重要視される運動です。この辺りが筋力の少ない女子にもおすすめできるところです。

また、反復運動ではなく、登るコース(課題と言います)ごとに身体の動かし方が異なるため、まんべんなく筋肉が鍛えられます。筋肉を鍛えるという目的であれば、筋トレが最適だと思いますが、筋トレとの最大の違いは、この反復運動ではない運動というところかなと思います。

もちろん、基礎的な動作(ムーブと言います)はあり、それをできるようにするための反復練習もあるにはありますが。

課題ごとにムーブを考え、思った通りに身体を動かす楽しさがボルダリングにはあります。

上半身が鍛えられる

「登る」という運動を考えた場合、下半身の筋肉は、日常生活を送るために必要な量で十分です。したがって、ボルダリングのために下半身を鍛えることは(あまり)なく、足が太くなることはありません。これは女子には嬉しいポイントかも。

上半身の筋肉は、日常生活の筋肉量ではまったく足りないため、ボルダリングして真っ先に鍛えられるのがこの上半身になります。とくに前腕と大胸筋が発達してきます。

アラフォーにもなれば男子も女子も胸が垂れ下がって来ますが、大胸筋が鍛えられることにより、垂れ乳を食い止めることができます。加齢による体型の変化に抗えます

頭を使う

よく言われるボルダリングのメリットとして、頭を使う、というものがあります。課題をクリアするのはパズルを解くようなものだと。

そうかも、とも思います。

ほかの運動でも同じじゃね?という気もします。

パズルはともかく、あらゆる運動は脳に良いと思われるので運動したら頭も使うよ。

若者に教えを乞える

あらゆるスポーツがそうであるように、始める時期が早ければ早いほど上達しやすいため、アラフォーでボルダリングを始めても、あとから始めた若者にスルスルと追い越されます。

あなたがボルダリングの天才でない限り、若者には絶対に勝てません。勝てないんだよ。

したがって、若者に混ざってボルダリングをする限り、必ず若者に教えを乞うシーンがやってくるのです。

この若者に教えを乞うことこそが、アラフォーに足りない経験であり、必要な体験です。身につけるべきマインドセットです。

アラフォーにもなれば、サラリーマンであれば、肩書きがあってもなくてもそれなりに周りに認められた存在になっているはず。社内では若者の意見を聞くこともなく、そのつもりがなくても若者からは老害と呼ばれ、昔の考え方にしがみついて直接的、間接的に会社を傾けています

サラリーマンだけをしていると、年下を師と仰げるような人間にはなかなかなれません。そりゃあ、年下の上司に従うってことはよくあると思いますよ。でも、仕事上はヘコヘコしていても、心の中では絶対に認めていないと思います。心の奥底に隠したプライドが許さない。

このような精神状態が人生にとって良くなさそうだということは想像に難くないですよね。年下を師と仰ぎ、若者に教えを乞い、素直に自分をアップデートする。こういう体験ができるのもボルダリングの良さであり、サラリーマン生活の伴侶とすべき理由のひとつです。

ボルダリングは幅広い年齢層が同じ土俵でプレイする競技なので、アラフォーが若者と交われる機会が、ほかのスポーツに比べて多いと感じます。チャンスは拾うべき。

お尻

ボルダリングは若い女の子にも人気なので、ジムに行けば若くてかわいらしい女子のお尻が目の前にあります

いや、仕方ないんだよ!! 角度的に!! 目の前でこちらに背を向けて壁を登ってたら仕方ないでしょう!? 目に入るんですよ!!

「ガンバ!!」とか声援送りながらお尻見てますからね。すまんけど。

いや、ぼくは見てませんよ。ぼくは一切の煩悩を捨て去った男なので、まったく見てないです。でもほら、見ないなら見ないでちょっと失礼に当たるじゃないですか。なので、礼儀としてお尻を見ているフリをしています。礼儀を重んじるアラフォー男子として。

言うてアラフォー女子も若い男子の引き締まったお尻見とるはずやからね。お互い様やから。この勝負はドローやから。

どうでも良い情報ですが、ぼくは尻フェチではありません。

ボルダリングのデメリット

  • 指皮が厚くなる
  • 手がガサつく
  • 生傷が絶えない

こんなもん。

まとめ

冒頭の結論をもう一度示しますね。

  • 人生100年時代、リアルな壁に登るという行為がぼくらには必要
  • 「登る」というプリミティブな運動は、ヒトの能力を見直すきっかけになる
  • メリット
    • 低コストで始められる
    • 反射神経が要らない
    • 全身の筋肉をまんべんなく使える
    • 加齢による体型の変化に抗える
    • 頭を使うかもしれない
    • 若者に教えを乞うというマインドセットが持てる
    • お尻
  • デメリットはない

ボルダリングを通じて、アラフォーの皆さんの100年ライフが実り多きものになるよう、ご祈念申し上げる所存です。