trangiaのアルコールストーブ「アルコールバーナーTR-B25」を使い始めた当時から、いつかは手に入れたいtrangia製品の筆頭だった「ストームクッカー」。
この度、気持ち的には計画的に、タイミング的には衝動的に、「ハードアノダイズド」モデルをポチってしまいましたよっと。
なぜハードアノダイズドモデルなのか
ストームクッカーには5モデル × 2サイズの計10種類があります。
モデル | ストームクッカーL | ストームクッカーS | 特徴 |
---|---|---|---|
デュオーサル | 22,000円 / 1,130g | 20,350円 / 880g | 外側に熱伝導率の高いアルミ、内側に耐久性の高いステンレスを使用したフライパンとソースパンを採用。重たい。 |
ウルトラライト | 16,500円 / 900g | 15,400円 / 740g | ソースパンは無垢のアルミ、フライパンはノンスティック加工の基本モデル。軽くて安い。 |
ノンスティック | 18,150円 / 905g | 17,050円 / 745g | ソースパンとフライパンの両方にノンスティック加工を施したモデル。軽量で使い勝手が良い。 |
ULハードアノダイズド | 24,750円 / 900g | 22,550円 / 740g | ウルトラライトモデルにハードアノダイズド加工を施したモデル。フライパンはノンスティック加工。軽くて耐久性に優れているが高価。 |
ブラックバージョン | 20,350円 / 1,075g | 18,700円 / 869g | ウルトラライトモデルに黒色塗装を施しもたモデル。やや重たい。 |
いや、最初はいちばん廉価でベーシックな「ウルトラライト」のつもりだったんですよ。
「デュオーサル」はアルミとステンレスの組み合わせは面白そうだけど、重いのが気になるし、長く使用した際、「ノンスティック」は加工が剥がれるのが心配。「ULハードアノダイズド」は高すぎるし、黒いギアで揃えてるわけでもないので、「ブラックバージョン」は自分にはメリットがなく、スルー。
ところが、某ECサイトで「ノンスティック」がセールになっていて、いきなり悩みだします。ノンスティック加工の耐久性は気になるものの、ソースパン単品でも買えそう。であれば、加工がダメになったら通常版のソースパンを買いなおせば良いのでは、と。
悩んでる間に、セールが終了し、今度はAmazonプライムデーを待っていたところ、「ストームクッカー」自体がプライムデーの対象ではないものの、「ハードアノダイズド」モデルががなかなか良い割引率で出ているのを発見してしまいました。
ハードアノダイズド加工は、硬質アルマイト処理加工のことで、熱や摩擦に強いという特徴があるようです。「ストームクッカー」は火力が思った以上に強くなるようなので、熱に強いというのはストロングポイントになりそうです。一方で、焦げにくさという点においては、ノンスティック加工に軍配が上がるという認識。
「ウルトラライト」が良いと言っておきながら、けっきょく割安なら上位モデルに惹かれてしまうのか、と。お前もけっきょく金なのか、と。
十分な自己嫌悪に陥り、泣きながらポチったのでした。
なぜSサイズなのか
上述のとおり、「ストームクッカー」はSサイズとLサイズの2サイズ展開なのですが、なぜSサイズにしたかといえば…
ソロでしか使う予定がない
からですよ、言わせんな。
まぁ、それもそうなのですが、基本的にアウトドア製品は軽く、小さいものが正義だと思っているので、サイズについてはあまり迷わずにSサイズ。
将来、きっとSサイズを買うだろうという予想のもと、「ストームクッカー」のSサイズに収まるという理由で、事前に0.6Lのtrangiaのケトルを導入していることもあり、今さらサイズを変える理由もないんでした。
ストームクッカーS・ULハードアノダイズド
いざ開封。
外箱は少し凹んでました。箱の中を開けて検品したのかなと思いますが、もうちょっと丁寧に作業してくれたらイイのに。製品自体はとくに問題なし。
このコンパクトにまとめられたストームクッカーは、以下のように8つのクッカーシステムに分解されます。
- 2つのパーツを組み合わせる風防兼ゴトクのベース
- 熱源になるアルコールバーナー
- クッカーとしては、フライパンとソースパンが2つ
- クッカーを掴むためのアルミハンドル
- 上記をまとめるためのストラップ
ベース
ベース(下段)は以下の画像のように、側面にも上面にも多数の穴が空いていて、真ん中の大きな穴にアルコールバーナーを配置して使用します。
ちなみに、側面の穴は(直感に反するかもしれませんが)「風上に向けて配置」します。クイックガイドにもそのように記載されています。
ベース(下段)の上に、ベース(上段)を下記のようにセットして使用します。
ベース(下段)の側面から空気を取り込み、上面の穴から抜けてアルコールバーナーに酸素を供給する仕組みなので、ベース下段にはたくさん空気が入って欲しいわけです。一方でベース(上段)には穴がなく、風防としての効果も高くなっています。
この下段から空気を取り入れて、上段への上昇気流と酸素供給を行う仕組みが、ストームクッカーの高火力の理由であり、風が強ければ強いほど、火力が強くなると言われる所以だと思われます。
アルコールバーナー
左がストームクッカーに付属の「アルコールバーナー」、右が単品で購入した、以前から持っている「アルコールバーナー」。
両方とも同じ「TR-B25」だと思いますが、製造時期が違うためか、火力調整蓋が左はザラザラとした加工がされていて、右はつるんとした表面に”ACHTUNG HEIß”(=高温注意)と打刻されています。
なんとなく、付属の新品のアルコールバーナーは置いておいて、以前から持っているアルコールバーナーを使い続けようと思ってます。
アルコールストーブとして単体で使う場合は、火力全開であり、ゴトクと干渉することも多いので、火力調整蓋は消化用にしか使ってません。が、「ストームクッカー」で使う場合は、その強すぎる火力を抑えたり、あるいはとろ火でじっくり調理するなど、火力調整蓋が活躍しそうな予感です。
フライパンとソースパン
フライパンはゴトクを広げて、その上に乗せて使います。
ベース(上段)とフライパンの底の間に隙間があるので、ここから風が吹き込む場合は、やや火力が弱くなるかもしれません。
なお、「ハードアノダイズド」モデルのフライパンも、内側はノンスティック加工がされていると思います。
ソースパンを使う場合は、ゴトクを閉じて、その上にソースパンを乗せます。
ベース(上段)の中にすっぽりと入る形になるため、風防の効果が高いものと思われます。
ソースパン(Inner)は内側に収納する方のソースパンで、外側のソースパンよりも、わずかに径が小さいのですが、こちらだけ目盛が打たれています。(つまり、目盛が打たれている方を内側に重ねれば収納できる)
目盛はとても分かりづらいですが、外側から見ると、「0.5」「0.3」と打たれていて、その円形の中心までの容量がそれぞれ、0.5リットル、0.3リットルを示しています。ラーメンとかなら2つの目盛の中心あたり(400ml)まで水を入れると良さそうです。
アルミハンドル
「アルミハンドル」は、EVERNEWの「ハンドルショート EBY169」と比べれば少し長めで、掴む部分はシンプルな形状。
さすがは純正品で、ソースパンを隙間なく、完璧に掴みます。EVERNEWの「ハンドルショート」でも掴めますが、安定性は「アルミハンドル」には敵いません。
この「アルミハンドル」がクッカーをかなり傷つけてしまうようなので、掴む部分をアルミテープで覆って、角を丸めてみました。
あんまり綺麗な仕上がりにはならなかったし、効果も不明なので推奨するものではありません。
とりあえず角は丸まったので、これで傷がついてしまうのならもう仕方ないという感じです。
ほかのクッカーとの組み合わせ
「ストームクッカーS」を購入するだろうと思ってあらかじめ購入した「ステンレスノブケトル0.6L」。
無事、収納できました。
もうひとつ、試してみたい組み合わせがロータス「アルミポット」(あるいはEVERNEW「Backcountrhy Almi Pot」)。
こちらもなかなかのシンデレラフィットぶりを発揮。
ただ、付属のソースパンを押し除けてまでして「アルミポット」を持っていく理由がなく、炊飯が目的ならフライパンを蓋にするか、専用のリッドを導入するかすれば良いわけで、一緒に使うことはほぼないかなーと今は思っています。
イマイチなところ
まだ使用していないので、見た目に関する不満なのですが、ソースパンとベースの上下段の縁の部分に、細かい引っ掻き傷がついています。
上から見るとちょうど二等辺三角形の頂点になる位置に、揃ってついているので、なんとなく、梱包等でついた傷ではなく、ハードアノダイズド加工するためについた傷なのかな、とは予想するのですが、そこそこ良いお値段のする製品なので、ちょっと残念。
個体差ではなく、全製品でこの傷が入っているなら仕方ないですけど。
まとめ
以上、trangia「ストームクッカーS・ULハードアノダイズド」のファーストインプレッションでした。
70年以上、ほとんど姿を変えていないと言われる、よく練られたデザインのクッカーシステムが、下記のようにキュンとひとまとめになる姿がとにかくかわいいし、所有欲を満たします。
まだ紹介したい部分もあるのですが(ベース下段の大きめの横穴とか)、なかなかボリューミーな記事になってしまったので、この辺にしておきます。
気になる方は、ぜひモデル一覧の表をじっくり眺めて、自分に合ったモデルを検討いただくと、大変よろしいんじゃないかと思います。
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