今シーズン、スノーボードのバインディングにKarakoram BindingsのLAYBACKを採用。Karakoramを選んでいる理由は、スプリットボードへの転用を前提にしていたためです。
LAYBACKそのものは即スプリットボード用として使えるバインディングではないため、CONNECT SPLIT CONVERSION KITをバインディングとスプリットボードに導入する必要があります。もちろん、「CONNECT SPLIT CONVERSION KIT」を装着したあとでも、バインディングは通常の板(のクイバー)に装着可能です。
今回、このCONNECT SPLIT CONVERSION KITを導入したので、その手順を記しておきます。
CONNECT SPLIT CONVERSION KITの内容物
取扱説明書の画像ですが、CONNECT SPLIT CONVERSION KITの内容物は以下でした。
なお、CONNECT SPLIT CONVERSION KITの装着方法は取扱説明書にも図入りで載っているし、公式にも2つも動画が掲載されているので、これらを見て落ち着いて作業すれば、とくにハマるところはないと思います。
TOUR ADAPTER INSTALLATION │ バインディングにTour Toestayを装着する
最初にTour Toestayのバインディングに装着していきます。
つま先部分をカットする
いきなり工作っぽい作業なんですが、バインディング(ここではKarakoram LAYBACK)のつま先部分(取扱説明書では”EVA Toe Ramp”って書いてあります)を、溝に沿ってカットします。
カッターナイフで簡単に切れます。
ギコギコやると切断面が毛羽立ちます(↓)が、2つめのバインディングではスーッと引っ張るようにカットすると、綺麗に切れました。
柔らかい素材なので、力をかけなくても切れます。
Toestayを外す
Toestay(つま先部分のクイバーに引っ掛けるバーがついたステー・トーステー)を外します。Toestayを留めているパーツがあるので、
裏返して、付属の六角レンチでビスを外します。
つま先側(画像の上側)のビスはゴムのブッシュに隠れているので、このブッシュを剥がしてビスを外します。
外したビスは長さが違うので、忘れないようにしておきましょう。つま先側が長いビス、踵側が短いビスです。
「Toestayを留めてるパーツ」には上下がないようでした。
バインディングからToestayを外します。引き抜く感じです。
Tour Toestayに差し替える
ToestayをTour Toestayに差し替えます。
これがTour Toestayと、上で剥がしたゴムのブッシュを張り替えるためのブッシュ(最初に貼ってあったものとまったく同じものに見えました)。
スプリットボードではツアーモード(スキーモード)のときに、(テレマークスキーのように)つま先だけをボードにセットして、踵をフリーにして歩を進めるのですが、Tour Toestayはこのツアーモード用のバーがつま先側に付いています。
左がもともと付いていたToestay。右がCONNECT SPLIT CONVERSION KITのTour Toestay。
右のTour ToestayをもとのToestayが装着されてた場所に差し込むのですが、(↓)のようなギザギザのパーツがあるおかげで、位置決めは難しくなかったです。
公式の動画では「上に引っ張って装着する」みたいなことを言ってましたが、引っ張る余地もなくて、ピタッとハマります。この辺は改善されたのかもしれません。
再び「Toestayを留めてるパーツ」を表側にセットして、裏側からビスで締めます。
左がビスを締める前の状態で、右がビスを締め終えた状態。
ちなみに、ビスの位置は外側にオフセットされてました。
つま先側のビスは新しいゴムのブッシュを上に貼ります。
表側の「Toestayを留めてるパーツ」に緩みがないか確認します。
Tour Toestayの装着は以上になります。
TOUR MODE INSTALLATION │ スプリットボードにTour Modeを装着する
次にスプリットボードにTour Modeを装着していきます。
Tour Modeを装着する
Tour Modeは、スプリットボードのツアーモード時のつま先側のパーツです。
以下の6箇所をM6×10mmのボタンヘッドのビスで留めます。
ツアーモードの時には、このTour Modeにバインディングに装着したTour ToeStayのバーをセットすることになります。
DualSpeed Riserを装着する
DualSpeed Riserは、スプリットボードのツアーモード時の踵側のパーツです。
以下の4箇所をM6×8mmのボタンヘッドのビスで留めます。
DualSpeed Riserはツアーモードの際に、踵で踏まれる場所にセットされます。スノーシューのヒールリフターとまったく同じ機能ですが、Riserを前に持ち上げることにより、1段階、踵の位置を高くすることができます。
ちなみに、CONNECT SPLIT CONVERSION KITに入っているDualSpeed Riserは、ヒールロック機能がないタイプのものでした。
RIDE MODE 2.0 INSTALLATION │ スプリットボードにRIDE MODE 2.0を装着する
最後にスプリットボードにRIDE MODE 2.0を装着していきます。
RIDE MODE 2.0を装着する
RIDE MODE 2.0はライドモード(スノーボードモード)のときに、バインディングを装着するためのパーツで、2枚の板のブリッジになるように装着されます。
2枚の板にそれぞれ装着するのですが、
最終的にはピッタリ合わせる必要があるので、つま先側と踵側のパーツの角度をそれぞれ合わせることが重要です。つま先側が27度なら、踵側も27度に設定する必要があります。
前足側(レギュラースタンスの場合、左足側)は+30度から-9度、後ろ足側(レギュラースタンスの場合、右足側)は+9度から-30度の角度に設定できます。
M6×14mmのフラットヘッドのビスをそれぞれ4箇所ずつ留めて、スプリットボードに装着します。
バインディングとスプリットボードへのCONNECT SPLIT CONVERSION KITの導入は、以上がすべての作業となります。お疲れさまでした。
まとめ
Tour Toestayの差し替え(とくにつま先部分の工作)と、RIDE MODE 2.0の位置合わせが若干面倒でしたが、前者は最初からスプリットボードに対応したバインディングを導入すれば不要な作業だし、後者はどのメーカーのスプリットボードでも必要な作業なので、面倒くさがってもしょうがないかな、とも思います。
なぜ最初からスプリットボードに対応したバインディングにせず、普通のバインディングとCONNECT SPLIT CONVERSION KITの組み合わせにしたかと言うと、普通のバインディング(LAYBACK)にはクイバーが2つ付いてきて、Karakoram BindingsのPRIME SYSTEM…すなわち「バインディングの簡単な脱着」の恩恵をソリッドボードですぐに受けられると思ったから。
実際のところ、スプリットボード(のRIDE MODE 2.0)と、ソリッドボードのクイバー2セットの、3枚の板で同じバインディングを簡単に付け替えることができるようになったワケで、これは今シーズンのGOODポイントのひとつでした。
CONNECT SPLIT CONVERSION KITを使えば、Karakoram BindingsのPRIME SYSTEMのメリットをスプリットボードにも簡単に導入できるので(というか、PRIME SYSTEM自体が本来スプリットボードのためのものだと思いますが)、これからスプリットボードの世界に足を踏み入れる方には、Karakoram BindingsのPRIME SYSTEM+CONNECT SPLIT CONVERSION KITの組み合わせは、有力な選択肢のひとつになるんじゃないかなーと思います。