読書メモ │ 評価経済社会・電子版プラス

ライフハック
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岡田斗司夫氏の「いいひと戦略」を読んだ流れで、その発想・思想の元となっている(と思われる)「評価経済社会・電子版プラス」を読んでみました(Prime Readingで無料で読めました)。

「評価経済社会」は氏の「ぼくたちの洗脳社会」(1995年)のリライト版という位置づけのようです。

読書メモ

社会全体が巨大な変化の時期を迎えていて、従来の価値観が全体として明らかに破綻しつつある。我々はいま、価値の中心に「自分の気持ち」を置いていて、その理由は、既存の価値観では幸福が追求できないからである。自分たちを幸せにできない「科学」と「経済」への信頼の喪失があるからだ、という主張。

「科学」も「経済」も自分たちにとって特別大事なものではなくなってしまった結果、「貨幣経済社会」から「評価経済社会」にパラダイムが移ってきている。

  • 貨幣経済社会:社会の構成員が、その最大の貨幣的利益に向かって邁進することにより安定する『動的安定社会』
  • 評価経済社会:社会の構成員が、その最大の評価的利益に向かって邁進することにより安定する『動的安定社会』

堺屋太一の「知価革命──工業社会が終わる 知価社会が始まる」に記されている「やさしい情知の法則」を考えることにより、この「評価経済社会」がどんな社会になるか予想できる。

「やさしい情知の法則」=「どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しい、と感じる」

つまり、ある時代のパラダイムは「その時代は何が豊富で、何が貴重な資源であるのか」を見れば明らかになる、ということ。近代社会の「モノ余り・時間不足」というパラダイムから「モノ不足・情報余り」の時代にシフトしていくのが「評価経済社会」。つまり、物欲や金に惑わされるのをみっともないと感じる、モノに関心を示さないのを立派と感じる、こういう時代を迎えつつある。

これからの「評価経済社会」では、「評価」を仲介として「モノ」「サービス」そして「カネ」すらも交換され、「評価」と「影響」をお互いに交換しあう。評価を集めることができれば、影響力も持ちやすくなり、例えば、Apple社などはその典型と言える。

感想

このような「評価経済社会」において、個人はどうすれば良いのか。そこには「おまけ」の部分で「単純に好かれればいい」とあります。単純に好かれる方法は、後段の『超情報化社会におけるサバイバル術「いいひと」戦略』で説明されています。

本書で、これは使えそうと思ったテクニックが「やさしい情知の法則」です。書籍内でも『この法則、はっきり言ってものすごく「使え」ます』とあります。

「やさしい情知の法則」=「どんな時代でも人間は、豊かなものをたくさん使うことは格好よく、不足しているものを大切にすることは美しい、と感じる」

「情知」は「なさけしり」と読むんですかね。「何が豊かで何が足りていないか」を考えることで、特定の事象を説明できたり、あるいは未来を見通す鍵が得られたりするかもしれません。

もうひとつ。現在、起きつつある価値観の変化を実感するのは難しいけど、それを知るには「今の若い世代を観察すればいい」というのも、使えるテクニックだなと思います。

この辺は、自分も偶然ちょっと考えていて、ここ数年、自分より若い世代を観察し、彼らの意見に積極的に耳を傾けるよう努力してたりします。彼らの言動にはさまざまなヒントが隠れているんだけど、それを年長者が理解しない(見ない)ことにより、組織が腐っていく、というようなシーンにあまりにも多く遭遇したからかもしれません。

これらのテクニックを使って、少しでもいま起きている変化を感じ、できれば先手を打っていきたいところです。

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