現代的な分離式マルチフューエルストーブ、MSRの「ウィスパーライトインターナショナル」。
そもそも、ホワイトガソリンの10分の1くらいの値段で、北陸民には暖房用の燃料として馴染み深い灯油をストーブの燃料に使いたい、という理由でを導入しているので、とにかく灯油で試してみたい。
ジェットを交換する
UGジェットとUKジェット
「ウィスパーライトインターナショナル」にはガソリン用のジェットと、灯油用のジェットが存在します。説明書には下記のように記載されています。
- UGジェットは、ホワイトガソリンと自動車用無鉛ガソリンに使用でき、ストーブに予め取り付けられています。
- UKジェットは、灯油に使用でき、ストーブの部品キットに含まれています。
つまり、燃料に灯油を使用するには、ジェットを交換する必要があるわけです。
ちなみに、MSRではジェットと呼称しているのでここではジェットと記載してますけど、OPTIMUSの場合は同じパーツをニップルと呼称してますね。
ジェットの交換方法
ストーブをひっくり返して、プレヒート用の燃料をためるプライミングカップを取り外します。
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プライミングカップの底に外す方向が薄く刻印されてますが、普通に反時計回りに手で回すと外すことができます。
プライミングカップの次にウィックを外します。
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プライミングカップとウィックを外すと、ジェネレーターチューブを引き抜けるようになります。ジェットの部分をミキサーチューブから引き抜くように外すと良いと思います。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-4-1024x576.jpg)
「ウィスパーライトインターナショナル」に同梱されているジェット&ケーブルツールを使用して、取り付けられているUGジェットを外します。こちらも普通に反時計回りで緩みます。
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ジェットの中にはシェイカーニードルが入っているので、無くさないようにします。
右が販売時に取り付けられていて、今回外したUGジェット(ガソリン用)。右がいまから取り付けるUKジェット(灯油用)。なぜか、いまから取り付けるUKジェットの方が汚れているように見えます。
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内側も汚れてそうだったので、綿棒でこすってみたのですが、明らかに使用されてる感じでした。テスト燃焼でもしたのかな…。その割に、もともと取り付けてあり、自分で確実に使用したUGジェットの方はもっとキレイだったけど。
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ついでにいうと、シェイカーニードルもちょっと曲がってるんですよね。ピンボケですみません。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-9-1024x576.jpg)
なお、シェイカーニードルはOPTIMUSで言うところのクリーニングニードルのことです。SVEA 123RやOPTIMUS 8Rのようにスピンドルを回して、燃料の流入量を調整したり、消化したりする機能はないのですが、ジェット孔をクリーニングするという意味ではクリーニングニードルと同じです。本体を振ることにより、ジェットの中でカタカタと上下して、それによりニードルがジェット孔を貫通してクリーニングしてくれます。
で、このシェイカーニードルをUKジェットの中に入れます。入れる向きはもちろん、ニードルがジェット孔側に来るように、ニードルから入れます。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-10-1024x576.jpg)
この逆さまの状態で、ジェネレーターチューブに捻り入れます。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-11-1024x576.jpg)
こうすると、ニードルを曲げずにジェットをジェネレーターチューブにはめることができるってことだと思いますが、とは言え、最初からニードル曲がってたしなぁ。
(逆さにせずに)ジェネレーターチューブにシェイカーニードルをお尻から入れて、上からジェットをかぶせて締めてもイイのかもしれない。けど、MSR正規代理店のモチヅキの動画で逆さにしないと破損する可能性があるって言ってるので、自分はこの方法で今後もメンテナンスしようと思います。
これまでの逆順でパーツを組み立てて、ジェットの交換は完了です。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-12-1024x576.jpg)
燃料に灯油を使用してみる
早速、燃料に灯油を使用してみます。
今回は屋内でのテストということで、プレヒートにはアルコール燃料を使用。ガソリンストーブの屋内での使用は、自己責任でお願いします。
アルコール燃料でプレヒートし、
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無事、着火!! めでたしめでたし!!
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と、物事はカンタンにはいかず、上の画像を見てわかるように、ジェネレーターが黒くなっていて、これは煤がかなり出て、それが付着してるんですが、要はプレヒート不足なんですよね。
灯油が気化し切ってないので、火柱が上がっちゃいます。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-15-1024x576.jpg)
一発では本燃焼に移行できなかったので、仕方なく、灯油をプライミングカップに染み出させて、追いプレヒートを実施。
これにより、ジェネレーターには煤が付いてしまうし、
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-16-1024x576.jpg)
プライミングカップの真上にあるフレームリフレクターの裏には、もっとひどい煤が付きます。
![](https://moretemasen.com/wp-content/uploads/2024/02/use-kerosene-in-whisperlite-international-17-1024x576.jpg)
これは灯油に限ったことではなく、ガソリンでプレヒートする場合も同様です。ただ、ガソリンは灯油に比べて気化しやすいため、アルコール燃料で十分にプレヒートできそう。
一方で、灯油の方はアルコール燃料によるプレヒートはもうちょっと工夫が必要そうです。
でもまぁ、とにかく、「ウィスパーライトインターナショナル」の燃料に灯油を使うことはできました。
(追記) ウィックを交換することにより、灯油でもアルコール燃料でうまくプレヒートできるようになりました。
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