OMM Rotor Vest │ 使い方次第で活躍の場が広がる「お守り以上」のベスト型ウェア

OMM Rotor Vest │ 使い方次第で活躍の場が広がる「お守り以上」のベスト型ウェア

スノーボードの寒さ対策として、中綿入りのハーフパンツがめちゃくちゃ便利で効果的ということが分かったので、調子に乗って次に検討を始めたのは、上に着るインサレーションウェアでした。

下がハーフパンツなら、上はベスト型であろう、という安易な発想になるわけですが、そもそもこれまで、人生において一度もベストというものを着たことがなかったんですよ。

見た目も機能も中途半端だから

というのがベスト型に手を出してこなかった理由ですが、プラスアルファの暖かさが欲しいというシーンにおいては、この中途半端さこそ求めているものではないのか?というやや強引なロジックで自分を納得させ、ベスト型のインサレーションを探し始めることになります。

そんな中、下記のような動画を見つけ、OMM Rotor Vestに着目。

BEST BUY GEAR(通称BBG)のアツシオガワ氏(通称一号生筆頭「歩荷鬼六」/CEO)が言うなら間違いない、ということで氏がオーナーをつとめるTHE MOUNTAIN EDITIONS(通称TME)でポチりました。

OMMとは

そもそも、この聞き慣れないOMMというブランドって何なのよ、という話なのですが、OMMは、Original Mountain Marathonの略で、1968年からイギリスで開催されている世界で最も困難な山岳マラソンレースのことで、現代のアドベンチャーレースの先駆けとも言われています。最初はKarrimor International Mountain Marathon(KIMM)と呼ばれていたので、あのカリマーが一枚噛んでたようですが、2004年にスポンサーを降りて、OMMと呼ばれるようになったらしい。

このOMMに耐えうるギアやウェアを生み出すというコンセプトで誕生したのが、同名のOMMというブランドです。その特性上、カリカリにUL(ウルトラライト)に振った製品が多いという印象です。

素材

表生地は超軽量ウィンドシェル素材「Point Zeroファブリック」。薄くてツルツルした素材。後述しますが、引き裂き強度はイマイチの可能性があります。

中綿はPrimaLoft Gold®with Cross Core™で、封入量は40グラム。”with Cross Core”なので、繊維の中にエアロゲルを搭載し、より断熱性、保温性、軽量性が高まったバージョンのPrimaLoftという認識。

インサレーションのカテゴリではわりと先端をいく素材を使ってるっていう感じですかね。

特徴

パッカブル

みんな大好きパッカブル。左胸のチェストポケットに本体をクルクルとまとめながら押し込んでいくと、無理なくパッキングできます。

ポケットの内側にOMMのロゴがプリントされているため、パッキングしてもロゴが見える仕立てになっています。細部にも手を抜いてなくて、好感しかない。

超軽量

重量は公称値がMサイズ135グラム。実測値はSサイズ113.6グラム

これなら「超軽量」と言って差し支えないと思います。

小さくパッキングできて、この軽さ。お守りとして持っていく気持ちにさせられます。好き。

サイズ感

身長が164cmの激弱クライマー体型でSサイズを選んだのですが、着るときにすこーし窮屈に感じる印象です。普段、patagoniaARC’TERYXなどの海外アウトドアブランドはメンズのXSサイズがちょうど良いので、海外製品でSサイズが小さめに感じるというのはあまりない体験でした。

こちらのページにも

※Sサイズはかなりタイト目になります。

OMM Roter Vest / OMM ローターベスト – MoonlightGear – ムーンライトギア

と記載されているので、Sだけが少し小さめなのか、全体的に小さめなのか…。

着てしまえば窮屈さは全くなく、むしろ着ているのを忘れてしまうくらい身体の一部になってしまいます。

感想

良いところ

基本的にナイター時等の防寒着として、スノーボードのウェア(ハードシェル)と、フリース(patagoniaのR1とか)等のミドルレイヤーの間に着用し、昨シーズンと今シーズンの運用してみましたが、十分すぎる保温力を感じました。

身体の体幹を暖めるとこんなに暖かいのか、という感じ。ピッタリめのサイズ感も、保温力に貢献していると思います。熱が逃げないし、冷気も入り込みにくい。

暖かめの日中に着ると、汗をかくくらい暑くなるのですが、パッキングしてウェアのゴーグル入れに入れておくこともできるので、やはりパッカブルは正義。

また、今シーズンは暖かくなってからはベースレイヤーの上に直接着用し、その上にウェアを着るという運用も試してみたのですが、これはなかなか良かったです。おじさんになると、ベースレイヤーにウェア(ハードシェル)だけだと「お腹が冷えるんじゃないか?」「なんとなくスカスカして心許ない」という気持ちになるのですが、ベースレイヤーにRotor Vestを重ねるだけで、不安感はなくなるし、袖がないベスト型ウェアなので、長袖のミッドレイヤーを着るよりは涼しく過ごせます。体温調節の幅をより細かく設定できるようになった印象です。

一方、Rotor Vestはアクティブインサレーション(動的保温着)ではなく、あくまでも保温性能や断熱性能を重視していると思われるので、汗抜けは良くない感じ。ただ、これもベスト型ウェアの絶妙なところだと思うのですが、身体の中心はしっかり保温し、腕周りから放熱することによって、ある程度身体を動かすシーンにおいても、トータルでちょうど良く体温調整してくれる気がします。

後ろ身頃が長めのデザインなので、前傾姿勢を取っても背中がはみ出ないと思います。自転車乗りにも良いのではないでしょうか。

イマイチなところ

ちょっと残念だったのは、表生地の超軽量ウィンドシェル素材「Point Zeroファブリック」。薄くてツルツル滑るので重ね着もしやすいのですが、スノーボードのウェアの下に着ていると

こんな風に毛羽立ちができ、その毛羽立ちの中心から上下左右に繊維が引っ張られて、無惨な跡が残ってしまいました。

上に着ていたウェアの内ポケットがマジックテープで留まるようになっていて、マジックテープの鉤側がRotor Vestの表面を擦り、毛羽立たせていたようです。これはもう完全にウェアの造りが悪いんだけど、マジックテープで擦られたくらいでこんなにダメージ受けるんですか…っていう心のダメージがすごかったです。

これ以上被害を拡大させないために、いまは毛羽立った部分に補修用のシールを貼って凌いでいます。

シール部分が目立つように反射する角度で撮影したのですが、透明の補修シールなので、実際はそこまで目立たないです。が、残念な見た目はどうしようもない。

まとめ

ベスト型ウェアゆえに、ある程度身体を動かすシーンにおいても、トータルでうまく体温調整してくれるのではないか、と上では書きましたが、基本はやはり保温性能・断熱性能に軸足を置いた「保温着」と考えるのが良いのではないかと思います。

つまり、現状では寒くて厳しいというときに、追加で着用することにより、体温をブーストしてくれるお守りとして考えた方が良いのでは、と。軽くて小さくパッキングできることから、よりお守りとしての性質が強化される気がします。常に着続けるのではなく、ヤバいときに助けてもらうために、常に携帯する、という感じ。

でもまぁ、本当にお守りとしてだけ考えるとちょっともったいないというか。

まとめると、

  • 基本は保温着として考える
  • 軽量コンパクトのため「お守り」に向いている
  • ベスト型なのでアクティブインサレーション(動的保温着)としてのポテンシャルも秘めている
  • レイヤリングの幅が広がる

という感じで、めちゃくちゃ活躍するウェアであることは間違いない。

最初に導入したベスト型ウェアとしては完璧だったというか、むしろ全然使いこなせていないのでは?と不安になってくるRotor Vestでした。